148.スケルトン師匠
勇樹がそろそろ限界っぽい。
勇樹の戦いを観戦している五人に声を掛ける。
「準備はいいか? そろそろ、行くぞ」
加速。
ガンダルヴァの後ろに回り込み渾身のバックドロップ! そこから、目を回しているガンダルヴァの腕を取り腕挫腋固。がっちりと決まった。
「今だ!」
五人が寄ってきてガンダルヴァを袋叩き。
「スキルを使える奴はスキルを使いまくれ!」
健志は初撃クリティカルだから一回だけ。朱珠は木霊を召喚して蔦でガンダルヴァの首を締め上げる。
昌輝はスキルを使っているのか動きを止めている。盗みスキルは何か制約でもあるのか? 陸はその昌輝と位置を交換するスイッチを使っている。
葵はプチ火魔法で火の玉をガンダルヴァに放っているが、俺に当たっているぞ! フレンドリーファイアーだぞ! ちゃんと確実に当てられる場所から放てよ!
さすがに五人でボコっただけあって意外と早くガンダルヴァが霧となって消えた。
それでも、全員ヘトヘト状態。実際に
全員、レベルも上がりやり切った顔をしているが、今日はこれからもう一戦残っている。もちろん俺のレベル上げだ。
「全員、レベルが上がったな? スキルを覚えた奴はいるか?」
首を振る者が多い中、
「身体強化を覚えた」
細マッチョの陸だ。趣味が筋トレって言っていたから下地があったのかもしれない。これで、身体強化スキルの取得方法が間違いないことが立証されたな。
そのおかげで、ほかのメンバーのやる気が上がった。実際に覚えた者がいるとそのモチベーションは爆上がりだ。
それに比べ、勇樹のモチベーションは駄々下がり。今回はいいところが一つもなかったからな。
「次に行くぞ」
「まだ、戦うんですか? アニキ」
「俺がな。お前たちは見学だ」
次の
いたな。
これはこれは、なんとも、
「葵、指輪を返せ。勇樹、カードを貸せ」
不死の指輪と
「お前たちは離れてみていろ」
『バトルフィールド展開』
「
余計な手出しは無用。アンクーシャや聖魔法なんて使わない。真っ向からぶつかって叩き潰す!
手に持つは太刀・焔と小太刀・水禍の二刀流。フレイムなどのデカい魔法も使わない。己の技量のみで打ち勝ってやる!
小太刀・水禍で奴の突きを受け流し、太刀・焔で斬りつけるが盾で受けられた。攻撃は重く、そして防御は堅い。やり難い、そして何より強い。だが、前と違って恐怖を感じない。俺も成長しているということだ。
よくゲームでスケルトン相手に戦いの訓練をし、スケルトン先生などと呼ぶことがあるが、俺にとってはスケルトン師匠だな。この壁を越えなくてはならない。
俺のプチ剣術ではスケルトン師匠の技量についていけない。なので、敢えて勝手に動きをアシストするプチ剣術スキルに頼らず、己の技量のみで戦う。
今のホルダーが弱い原因がスキルに頼りすぎていると考えられるからだ。単純に考えて、同じ剣術スキルなら、Lv1よりLv2のほうが強いのは当たり前。そう考えれば弱いスキルに頼れば、必然的にレベルの高いスキルを持った相手には敵わない。
それでなくても、俺の剣術スキルはプチ付き。スケルトン師匠は間違いなくプチは付いていないだろう。そんな状態で戦っても勝てるわけがない。
だから、考えて戦う必要がある。俺には並列思考がある。一つの思考で剣の動きを制御し、もう一つの思考で相手の動きを見る。どうすれば奴の防御を掻い潜って剣を当てることができるか、相手の動きに規則性や癖がないかを観察。
この
並列思考ありきで同等。バトルジャンキーではないがこれはいい。この戦いはいい!
両手でスケルトン師匠の防御を崩せないのなら、両足も使う。刀ではなく蹴りで盾を蹴り飛ばす。盾が跳ね上がり下半身がガラ空きになる。太刀・焔で斬りつけるが浅い。骸骨だけに肉がないせいで腰骨に掠った程度。
普通の
少しは手加減してくださいよ。
ホルダー戦記はスケルトン師匠だけどにゃ、スメラミクニラビリンスはぷりちーなうさぎ師匠が出てきますにゃ。うさぎ師匠、強いですにゃ~。
スメラミクニラビリンス~月読命に加護をもらいましたがうさぎ師匠には敵いません~
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884258759
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