112.黄金街
ロコモコ丼、うめぇー。
ロコモコ丼とはいっているがこれって目玉焼きの乗ったハンバーグ丼だよな? なんでハワイ料理なんだ?
「今回、瑞葵の動きがよかった」
「当然ですわ!」
「だが、悪い点もあった」
「ぐっ。そ、それはなんですの?」
本人はまったく気づいていない。というより、覚えていないのかも。
「何度も言っているが、戦いの最中にいちいち声を出すな。声を出さずとも周りを常に意識して動け」
「ですが、それでは常に危険が伴いますわ!」
戦っている以上、常に危険は伴う。だが、そこは違うだろう。
「いいか、それを補うのがチームワークだろう? お互いを信用しないで背中を預けられるのか? それに、召喚した
「ぐぬぬ……」
「まあまあ、瑞葵は戦いになると少々感情的になるところがあるようだが、元々が優秀な子だ。慣れれば大丈夫じゃないか?」
「お、お姉さま♪」
「車に乗った瞬間、人格が変わる人間もいるんだぞ? 瑞葵がそれじゃないと言い切れるのか?」
「「……」」
まあいい。今回は注意に留めておこう。
明日からの予定を確認すると明日は麗華が休み、木曜日が瑞葵が休みとなっている。今週の土曜日はホルダーの交流会があることから、金曜日は狩りをしないでおこうということになっている。なので今週は水曜日に狩りがあるだけ。
まあ、来週から大学も夏休みに入るので俺としては気にしていない。俺は夏休みはまだまったくといって予定を入れていない。
ホルダー以外のことで出かけるとしたら、遊びに来る妹に付き合うことと骨董市やフリーマーケット巡りくらいだな。夏休みだけにいろいろな場所で骨董市やフリーマーケットが開かれるみたいだ。
正直、楽しみにしている。すぐには資産化はできないけど、下手な投資より確実な資産となる。
あと、できればホルダー探しもしたい。クレシェンテには勇樹を入れても四人しかいない。今後、六等呪位も視野に入れて狩りをしていきたいのでホルダーの数は必要だ。
今の俺たちでは六等呪位を倒すのは厳しいと思う。初めて六等呪位を見てからレベルは十ほど上がっているので、あの時より恐怖は感じないと思うが実際にもう一度遭遇してみないと何ともいえない。1ランク上になると別ものになる
火曜日はやることもないので大学が終わった後、クレシェンテに来て資料作り。今までに手に入れた錬成用と思われるアイテムを
しかし、こんなものから何が錬成されるのだろうか? ショップには初級のポーション類しか売られていないので、それ以上のポーションは錬成でしか作られないのかも。もしくはランクが上がれば品が増えて中級以上のポーションが買えるようになるのかも。
今はまだそれほど必要ではないけれど、ポーションは今後上位の
BP《バリアポイント》のおかげで今は直接的なダメージを受けていないが、上位の
俺たちは全員にBP回復スキルを持たせる予定ではあるが、BP回復は怪我までは回復させない。怪我まで回復させるのは聖魔法かポーション、あるいはアンクーシャのような特別なアイテムを使うしかない。
聖魔法を覚えるのも、特別なアイテムを手に入れるのも至難の業。そうなってくると、錬成で作れそうなポーションは重要になってくる。
ほかの組織はどうしているんだろうな? 自分たちで錬成しているのか、請負で錬成してくれる組織に頼んでいるのか知りたいところだ。
早急に数を揃えておきたい。そうなるとオークションで錬成スキルが早く落札したい。
水曜の夕方、時間があったので前から興味があった黄金街を覗いてみた。まだ、夕方だというのに多くの店がもうオープンしてお客が入っている。どの店もこじんまりとした大きさで所狭しと並んでいる。
一人で入るにはちょっと勇気がいるな。常連の方に連れてきてもらうのがいいのかも。そんな常連など知らないけどな。
そんな散策を続けていると、マップにホルダーの印が出ている。それも黒。ホルダーだってお酒を飲みに来てもおかしくはないが、気になったので近づいてみる。
細い路地裏に男二人と女一人がいて話をしている。その中の一人がホルダーのようだ。スーツを着た三十くらいの目付きの鋭い、ロン毛で髪を後ろで縛った男。堅気には見えないな。
もう一人の男はチンピラを絵で描いたような出で立ち。歳は二十代半ばくらいに見える。女は年齢的にその男の連れだろう
口論というより、目付きの鋭い男にチンピラが怒られている感じだ。
目付きの鋭い男を鑑定すると、
Α%▼≧℃ ё@72
文字化けしている。文字の配置からレベル72かもな。印が黒なのもわかる。ホルダーランクが見当たらないのが気になる。
こいつ何者だ?
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