104.勇樹ステ振り
クレシェンテの事務所に戻って来た。
ペットボトルのお茶を飲みながら感想と反省会。水島顧問も興味があるようで同じテーブルに着いている。勇樹には事前に千軍万馬スキルのことや具体的な話は水島顧問の前では話さないように言ってある。
「初めての
「何がなんだかわからないうちに終わっていた感じです」
「まあ、見た感じ九等呪位なら俺のサポートなしでも倒せると思うな。やらせないがな」
勇樹にもプチBP回復を覚えさせればおそらく問題なく倒せるだろう。
「そうなんですか? 九等呪位ってそんなに弱いんですか?」
水島顧問の眉がピクっと動く。
「そうだなぁ。勇樹以外のホルダーだと一人で倒すには困難だろうな」
「僕とほかのホルダーの違いってなんですか?」
「装備の違い。そして何より才能の違いによる差。今後、俺たちの英才教育によってその差はほかのホルダーがどんなに頑張ったところで縮まることなく、どんどん開いていくことになる」
「そんなにいい装備だったのですか? でも一発喰らっただけで、六十減りましたよ?」
また、水島顧問の眉がピクピクっと動く。
ば、馬鹿野郎! 具体的な話はするなって言っただろう! こいつ本当にアホだ……。
「今日、お前が装備したのは、その辺のホルダーじゃ手に入れられないほどの装備だからな。具体的に言えばどこぞの陰陽会のエリートLV29が装備している武器防具がゴミに見えるくらいのな」
「そ、そんな凄い装備だったんですね……」
凄い装備なんだよ。武器に限ればうちで最強の武器だからな。使う奴がいないけど。
「そんな装備なのにそれを活かせず、猪突猛進。そのうえ、最初に言っておいたスキル名を口に出すなとあれほど言っておいたのに、お前ときたら最後まで叫んでいたよな」
「えっ!? そ、そうなんですか……気がつかなかった」
こ、こいつ、気づいていなかったのかよ……。これは瑞葵以上に重症かもしれない。口にテープでぐるぐる巻きにするか?
「来週から夏休みだよな?」
「はい」
「次からは七等呪位と戦わせる。今度は俺も参加するし、手が空いて入れば瑞葵と麗華も参加させる。瑞葵は前衛、麗華は後衛、俺は遊撃兼サポートになる。今度、前に七等呪位と戦った時の映像を見せるから、自分がどう動くかイメージトレーニングしろ」
「は、はい」
今度は俺の部屋に移って勇樹のステ振り。勇樹はガチの前衛なのでSTRに余ったSPを振っておく。本当はタンクにしたかったが武器が両手持ちなのでアタッカーにした。
まあ、タンクは
ドロップアイテムはこれ。
八等呪石 10,000P
・魔術師の杖 (TP+20 INT+10)
・魔術師のローブ (BP+60 TP+10 INT+5)
この装備は今回レベルUPして進化した、
に装備させる。今の俺たちの装備より一ランク下がる装備なので俺たちに必要ない。それに、今回の
「それからなぁ、何度も言っているが水島顧問の前では具体的な話はするな。あの人は俺たちクレシェンテの人間ではない。ホルダー管理対策室の人間だ」
「僕……言ってました?」
「言っていた。BPが六十減ったとしっかりとな」
「ぐっ、で、でも恢斗さんも僕の装備のこと具体的に話してましたよね!」
「いいか、流していい情報と、流してはいけない情報があるんだ。武器防具の件はわざと聞かせている。うちにはそれだけの武器防具を揃えているんだぞってな。その判断が今のお前にはできないから、言うなと言っているんだ。気をつけろ」
「わかりました……気をつけます」
わかればいい。
「それと、勇樹の千軍万馬を使う時、
「そうですね。あれは
使用条件は追々調べていけばいい。おおよその予想はできているが。
「だが、なかなか強力なスキルのようだ、使い方次第では一発逆転できるポテンシャルを秘めていると思う」
レベルではなくTP依存だから勇樹自体のレベルが低い間でも、十分な威力を発揮する。瑞葵や麗華のスキルのように大器晩成型じゃない分、使い勝手はいい。
あとは慣れだろうな。
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ステータス情報
東城勇樹 Lv0→1
ホルダー6611(12UP)
ホルダー適合率172%
BP 156(70+86)
TP 156(70+86)
STR 13(4+9)
VIT 12(3+9)
INT 12(3+9)
AGI 12(3+9)
DEX 12(3+9)
LUK 12(3+9)
千軍万馬
身体強化 Lv1
ハイランクキラー
BP・TP回復1.1倍 取得経験値1.1倍 アイテムドロップ率1.1倍
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