102.勇樹初戦
「
月山さんが出掛けていき、勇樹もまだ来ていないので水島顧問に昨日の疑問を遠回しに聞いてみる。
「耐性スキルや装備に付いた耐性でならできる。あとはすべてできるわけではないが、ほかの魔法をぶつけることで相殺はできるな」
「なるほど。火魔法を水魔法で相殺したことはあるな」
「相手の逆属性だと成功しやすと聞いたことがある。私も回復魔法を闇魔法で邪魔されたことが何度かあり、冷や汗をかいたことがある」
「ほう。それ詳しく聞きたいな」
水島顧問が言うには、回復させようとした仲間が回復魔法で体が光っている時に、
なるほど、なるほど。これは良いことを聞いた。回復魔法は完全に発動する前なら闇魔法で相殺できるということだ。このことをもっと前に知っていれば
だがこれで、アンデッドを回復魔法から守ることが可能になるかもしれない。もちろん聖耐性や聖無効があるのがベストだが。
「今から来る子はホルダーになったばかりなのだろう? それでも七等呪位を狩らせるつもりかね?」
厳しい目つきで俺を見てくる水島顧問。
「今日は八等呪位を狩らせる。七等呪位は次回からだな」
まずは勇樹が一人でどこまで戦えるかを見たい。
「そうか。やり方を変えるつもりはないんだな」
「ないな。クレシェンテは上を目指す。由緒あるだの名家だのとのさばりはびこる馬鹿な奴らを、実力で平伏せさせてやる」
水島顧問との睨み合いをしていると、チャイムが鳴ったので勇樹が来たようだ。エレベータの解除をして、部屋のロックも解除し招き入れる。
「新宿のど真ん中に事務所って凄いですね」
「俺が凄いんじゃなくて、勇樹の保護者である神薙家が凄いんだよ」
まあ、その神薙家も名家なのだがな。
取りあえず、水島顧問を紹介しておく。
「東城勇樹です。今は仮免ですが将来はクレシェンテにお世話になる予定です。よろしくお願いします」
「水島だ。私は長く勤められるかはわからないがよろしく頼むよ。無理せず頑張りたまえ」
「はい」
挨拶も済んだので勇樹を俺の部屋に連れて行き、今のステータスを書かせる。
適合率は172%でホルダーランクは6623。今までを顧みると初期ホルダーランクは適合率に応じて決まるみたいだな。ステ値は瑞葵と麗華と変わらず。持っているスキルは千軍万馬と身体強化。
スキル的に前衛ポジションかな? 身体強化は羨ましいな。千軍万馬というのはなんか強そうな感じがする。
ホルダーの中には鋼の大剣+1 (+50) が入っていた。武器合成が可能なのは魅力的だが、如何せん攻撃力が低い。オークションに出させるか。お小遣い程度にはなるんじゃないか?
狩りに出る時は一時的にこちらで武器防具を貸し出ししよう。普段は狩りをしないように、武器防具を持たせないほうがいいだろう。
今回は
そして、ホルダー管理対策室のサイトにログインして、今日狙う
「こいつにしよう」
「新宿御苑ですか? 近いですけど、今日、日曜なので人が多いのでは?」
「そうだろうが、これを見ると桜園地奥となっている。今の時期だとそんな所に人は少ないと思うぞ」
もう七月も半ばだからな。桜なんて見る影もない。まあ、行ってみよう。
一応、依頼を受けるためポチっと押しておく。
今日は天気がよく快晴。正直、暑い……。コンビニで飲み物やアイスを買って食べながら新宿御苑まで歩く。
入り口に着いて初めて入園料が必要なことに気づく。公園のくせに金取るのかよ……。俺も勇樹も学生なので一般の半額だけどな。
勇樹の言っていたとおり、日曜だけあって人が多い。それでも新宿御苑南側の桜園地に行くと人は少ない。
そしてうろうろしている
勇樹がバトルフィールドを展開した。
勇樹にアンクーシャを渡し、勇樹が
「
「わ、わかりました、
だ・か・ら~、スキルの発動時にスキル名を言うんじゃないっての!
減点
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ステータス情報
ホルダー6623
ホルダー適合率172%
BP 136(50+86)
TP 136(50+86)
STR 10(1+9)
VIT 10(1+9)
INT 10(1+9)
AGI 10(1+9)
DEX 10(1+9)
LUK 10(1+9)
千軍万馬
身体強化 Lv1
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