101.使役化生補充
レア種を探し回った結果、見つけたのは
う、うむ。違う種類のレア種が欲しかったのだが……。新たに探すのも面倒だ。こいつでいいや。
「こいつを倒す。見とけよ」
「は、はい」
「バトルフィールド展開」
あえてわかりやすく声に出してバトルフィールドを展開する。
『バトルフィールド展開』
「うわっ!?」
「バトルフィールドを展開するとこんな感じになって、近くに誰も寄って来なくなる」
「な、なるほどぉ~」
ぬめっとした感じは気持ちが悪い。それに悪寒も走るからな。
「それと、基本的にホルダー関係のことは声に出さなくて発動する。俺的には声を出さないことを薦めるが、どうしても気合を入れたりすると声に出す奴もいる。誰とは言わないが俺以外の二人だ」
「ははは……。正義のヒーローは必ず必殺技の名前言いますからねぇ」
そうなんだよな。なんでわざわざ相手に教えるように叫ぶのだろう? 高校で授業のあった剣道もそうだ。なぜ、気合を入れるためや打ち込む瞬間に打ち込む場所を叫ぶのか?
相手を殺すための技なのだから、相手に気取られないように、気配を殺して無言で
「仲間だけならいいが、ほかの組織がいる時は注意しろ。こちらの情報を与えることになる」
「同じホルダー同士でもですか?」
そう思うよな。普通。
「初見殺しって知っているか?」
「はい」
「ホルダー同士で戦うランク戦ってのがある、勝つとランクが上がる戦いだ。仮想空間で戦うので怪我はしない。そういう戦いもあるから情報は大事だ。じゃあ、
「はい」
勇樹にそんな説明したばかりの俺だが、油断していたわけではないのだが、まさかの初見殺しを喰らってしまった。こいつ、ダークバレットを放ってきやがった。
びっくりはしたが減ったBPは5。俺のステータス値になると十等呪位ではもう相手にはならないようだ。
だが、面白い。こいつ俺が使役している
次のダークバレットを撃ってくるまで待つ。
撃ってきたのでダークバレットを鬼殺の剣で斬ってみる。BPを確認、2減っている。なるほどダメージを軽減できるのか。
これは常識の範疇なのだろうか? 水島顧問に質問を変えて遠回りに聞いてみよう。
さて、止めを刺さそう。ダークバレットを喰らったところでたいしたことないので、ダークバレットを無視して
『
もちろん、Yesだ!
やはり、闇魔法を持っていた。プチだが。
「言っとくが、勇樹が今のような戦い方をしたら死ぬぞ」
「えっ?」
「当たり前だろう。今の
「そ、そうですよね……」
脅しすぎたか? 勇樹の顔が青褪めている。十等呪位ぐらいなら勇樹一人でも倒せるとは思うけどな。勇樹には補正値が付くからな。
「よし、本番は明日からだ」
「えっ!? あ、明日から?」
「九時にクレシェンテの事務所集合な。じゃあ、今日は解散。気を付けて帰れよ」
「えっ!? えぇー!」
夕飯はこのまま足を延ばして新宿御苑近くにある親子丼を出す店に行ってみよう。比内地鶏の親子丼らしい。クレシェンテの事務所からも近い場所だ。帰りも楽だしな。
比内地鶏の親子丼は旨かった。
翌日、クレシェンテの事務所に行く。今日は休みの日だというのに月山さんと水島顧問がいた。
「あれ? 今日は休みの日ですよね? それもこんな時間から」
「はぁ……誰のせいだと思っているのかしら? これから星野と一緒にホルダー管理対策室と打ち合わせよ」
なるほど。ご苦労様です。
で、水島顧問は?
「家にいてもすることがないのでな、進んでいない資料の確認だ」
ワーカホリックか!? というより自宅難民っぽいか? 家族構成は知らんが、家でごろごろしているとお父さん邪魔! って感じか?
「風速くんは、何か用事でも?」
「新しいホルダーのレベル上げです」
「東城勇樹くんね。話は聞いているわ」
「ホルダー予備軍として、暇なときにレベル上げをさせようと思いまして」
「そう、怪我しないようにね。星野が来たようだから行くわ」
星野さんは車を取りに行っていたようだ。
「月山さんもがっつり搾り取ってきてください」
「まあ、できるだけね」
そんなこと言わずに、尻の毛まで抜いてきてください!
フォローとお星さまをぽっちと押してくれるとやる気が出ますにゃ!
大判焼き、今川焼き、回転焼き、おやき、山形辺りだとあじまん、名前に悩む作者にゃんたろうにやる気を出させるのは……あなたの愛の手ですにゃ!
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