92.消滅
瑞葵たちの連携が上手くいくほど、俺の危機察知の警鐘が大きくなってくる。
相手が八等呪位である以上、今の瑞葵のステータス値であればどんな攻撃を受けても致命傷になることはないと思う。装備だって俺よりいい装備を身に着けている。まあ、これが七等呪位なら話は別だが。
しかし、何だろうこの落ち着かない胸騒ぎ。
考えられる脅威は二つ。一か八かの自爆技か或いは即死技みたいなものを持っているかだ。
おそらく、自爆技なら今の瑞葵なら多少怪我をしても耐えれると思う。問題は即死技だった場合。レベル依存で効果が変わるとかだと、
一応、助けに入る準備だけはしておこう。
そしてすぐに光に包まれる。回復されたか……。元が天使だからそのくらい使えて当然か。
回復?
下手い!
「瑞葵! 二体を指輪に戻せ!」
「ど、どういうことですの!?」
気だるそうだった
そして恐れていたことが起こる。
「も、戻りなさい!」
凛々しい顔だが死んだ魚の目をした
仕方がないここは俺が行くか。加速!
空中にいる
『アイテムをドロップしました。ホルダーに収納します』
「な、何があったのですの!?」
「不死の指輪を貸してくれ」
「えっ? えぇ、はい……どうぞ」
あぁ……なんてことだ……。
親指を隠すことなど忘れて、俺はその場で崩れ去る。
「か、恢斗、どうしましたの!?」
「
「えっ?」
普通に倒されていればリキャストタイムが伸びる程度で復活するが、アンデッドに関しては普通に倒されるのではなく、消滅の場合は復活しないんだな。
おお
そうか……。凛々しい顔だが死んだ魚の目をした
短い間だったが一緒に戦い、進化を繰り返しやっと戦力になったと思った矢先の
「ご愁傷様ですわ……。その、なんと言ったらいいのか……」
「気にするな。所詮は
「い、意外と立ち直りが早いですわね……」
まあな。気を取り直し、立ち上がる。終わったことだ。どうにもならない。そう、所詮は
「そ、そう。立ち直りが早いのも、恢斗らしいですわ……」
ならば、次はアンデッドではない
俺のハイランクキラーやるな。
「で、瑞葵はアイテムをドロップしたか?」
「してませんわ」
そうか、していないんだな。今回の戦いはちょっと微妙な展開だ。だが、考えるにおそらく止めを刺した側の総取りではないだろうか。貢献度でいえば瑞葵のほうが多いと思うが、止めを刺したのは俺だからな。俺にドロップしたからそうなのかも。
「それにしても、悔しいですわ」
「まだ、瑞葵には八等呪位は早かったな。全体的な戦い方は良かった。だが、瑞葵の火力不足が問題だな。一体の
「
「まあ、それは追々でいいだろう。運が良ければカードが手に入る。今回の戦いである程度自分の力は把握できたろう? やはり、今はレベル上げが肝要だ」
レベルが上がってハイランクキラーの比率が上がればカードも手に入りやすくなる。
それに八等呪位を倒してレベルが上がってしまうと、ハイランクキラーの称号が得られなくなる可能性がある。俺と瑞葵なら七等呪位と七等呪位の間に八等呪位を倒してもレベルが上がらないと思うので、暇なときに八等呪位狩りをしてみるのもありかもな。
「七等呪位と七等呪位のインターバルに一体くらい八等呪位を狩るのもありかもな」
「そうですわね。暇があればですわね」
だよなー。
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