84.初ミーティング
昨日の夜は寿司三昧。それでも食べきれず朝もお寿司を食べた。あと一食分は残っている。今日の夕食だな……。
ちなみにオードブルには手を付けていない。なので、冷凍できるものはすべて冷凍したら、冷凍庫が満杯になった……。当分はおかずに困らないな。
午後の講義が終わってクレシェンテに向かう。
ちょうど日中勤務と夜間勤務の入れ替わりの時間だったので、瑞葵と麗華以外は全員揃っていた。
昨日まではなかったPCや棚などの備品が設置されていて、より事務所らしくなった。観葉植物以外にも花などが生けられているせいか、女性らしい事務所の雰囲気になっている。
俺の個室にもPCが設置されていて、職員カードが置かれている。このカードを使って事務所への出入りやPCの起動を行うことになる。
瑞葵と麗華がまだ来ていないので設定を済ませてしまおう。PCのセキュリティー担当は星野さん。専門職並みにPCに詳しいそうだ。そのほかにも雪乃製薬で使っている外注のセキュリティー会社と契約を結んでいるので、ハッカーやクラッカー対策に通常警備も万全なのだそうだ。
まあ、情報を盗まれたところでその情報を信用する人はいないだろう。逆にダミー情報を掴まされたと思うのではないだろうか? それくらい常軌を逸した非常識な内容だろう。
そうこうしていると、瑞葵と麗華もやってきた。
全員、中央のテーブルに集まり打ち合わせ開始。水島顧問もいるが、なぜかげっそりとした疲れ切った表情をしている。
「なんか死にそうな顔をしているが、大丈夫か?」
「な、なんとかな。この歳になってPCの勉強をすることになろうとは……」
この人、アナログ人間か? 本当に戦うことしかしてこなかったのか?
「全員集まったわね。今日は初日なので日中、夜間に共通する点の説明を行います。初めに風速くんが提供してくれたスケジュールアプリだけど、この事務所のサーバーをホストとして使えるように星野に改良してもらいました。これで、事務所側で勤務の一元管理ができるようになります」
月山さんが口火を切って説明が始まる。ほぼ、社内業務についてだ。その後、星野さんからセキュリティーについての話があり、共通ミーティングは終了。月山さんと水島顧問以外の日中組の二人が帰っていく。
さて、ここからが本番だ。
「正直、わからないことだらけね。ホルダー管理対策室から資料はもらっているけど、どうしてあんなにわかり難く書くのかしら?」
裏の世界の話とはいえ、国が主導している以上組織として認められるには認可が必要となる。バラバラにやっていては埒があかなのだから仕方がない。誰かが纏めないとこの国は
もちろん、認可を受けず活動している者たちもいる。アウトサイダーのホルダーやそれこそ闇組織など。これに関しては
そして認可が下りた組織に配られる資料が酷いらしい。内容が纏められておらず、増えた分がただ重ねられていった感じらしい。自分たちで読み取れってスタンスなのかも? 要するにホルダー管理対策室は人が足りていないらしい。
「取りあえず、認可が下りたことでクレシェンテの組織番号がもらえたわ。これにより、ホルダー管理対策室とオークションのサイトにアクセスできるようになったわ」
ホルダー管理対策室のサイトには組織番号でしかログインできない。オークションのサイトでは個人のホルダーランクか組織番号でもログインできるそうだ。
そういえば、まだオークションのサイトにログインしたことがないな。
それと、やはりオークションのサイトに組織番号でもログインできるということはホルダーランクを管理している者がいるということだ。
「そこで、風速くん。ホルダー管理対策室の依頼を受けるということでいいのよね?」
「資金を稼ぐにはそれが一番かと。限定七等呪位ですが」
「それじゃあ、これを見て」
大型ディスプレイに映されものは東京都とその周辺の地図。そこにいたるところに白点と赤点が付いている。
「これはホルダー管理対策室が把握している七等呪位の位置よ」
「「「……」」」
俺も瑞葵も麗華も目が点になり声が出ない。
こんなにいるの? って感じ。それもこれは東京都とその隣県だけの数。このほかの県なども加えるとどうなるんだ?
どーなのよ? 水島顧問。俺は水島顧問をチラリと見る。
「驚くのは無理もないと思う。が、これが実情だ。六等呪位は5年で百体の七等呪位を生み出す。七等呪位は1年で二百体の八等呪位を生み出す。それ以下の
前にも思ったがねずみ算式だな。ほかのホルダー組織は何をやってんの?
「北は烏丸呪印会、東は土屋陰陽会、西は鬼道樹臨会、南は帝都聖法院が大枠を担当しているが、人が足りていないのが実情だ」
「ホルダー管理対策室直下の部隊ってのは?」
「自衛隊は主に東京都以外の県が担当だ。警察は
な、なるほど。
だが、ある意味よりどりみどりの狩り放題じゃね?
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