69.反省会
となると、考えられるのは二つ。
一つは俺の攻撃は攻撃として認められず、何かしらの理由から最初から瑞葵たちの経験値総取りが決まっていた。
二つ目は俺の攻撃は攻撃として認められたが、貢献度の高いほうにすべての経験値等が渡された。
これがわかったことで、ハイランクキラー取得の強制レベリングができそうだとわかったことは重畳。
それはさておきだ。
「瑞葵!」
「な、なによ!?」
「反省会な」
「くっ……受けて立つわ」
そこは、くっ、殺せだろう? なんで受けて立つんだよ!
「取りあえず、ファミレスよ!」
ファミレスかい!
「ファミレスなのかい?」
「お姉さまはファミレスをご利用になったことはおありですか?」
「そうだな、意外と利用しているな。どしても試験勉強などをしていると、集中しすぎて夜遅くになるので、そうなると開いているお店となるとファミレスくらいになる」
へぇ、勉強ですか……。俺の辞書には消えかかった言葉だな。
いつものファミレスに行って注文。
瑞葵は彩りの野菜の黒酢酢豚、台湾カステラとモンブランケーキ、そしてカリカリチーズポテト。今回はチーズをトッピングしやがった。
麗華はボトルワインをいち早く頼み、その後にほうれん草ベーコンのチーズ焼き、蒸し鶏とオクラのサラダ、大根おろしハンバーグを頼んでいた。酒のつまみか!?
俺はチキン南蛮、シーフードピザ、プリンパフェ。
もちろん、俺と瑞葵はドリンクバーも頼んでいる。
結局、俺のシーフードピザは一切れ以外、瑞葵と麗華の腹に収まった。麗華に至ってはワイン後にビール、ハイボールとちゃんぽん状態。残すはレモンサワーだな。いくのか?
それよりだ、カリカリチーズポテトを突っついている、あ・な・た。
「私かしら?」
「今日のあれはなんだ? 最初に言ってあったよな。アンクーシャを使う分のTPは残せって」
「お、女にはね、負けられない戦いっというものがあるのですわ!」
それは、どんな戦いだよ!
「いいか。自分の判断ミスで己一人が犠牲になるのならまだいい。だがな、あの時、
あの時の
まだBPの低い麗華だったら即死だったかもしれない。いや、瑞葵だって危なかったはずだ。
「負けたくなかったのよ……」
「だから、何に負けたくなかたんだよ」
「あなたによ!
足手纏いねぇ。別にそんなこと思っていないんだけどな。
「はぁ~、気持ちはわからないでもないが、せめてレベルが10を超えてから言ってくれ。そうだな、レベル10になったら試験をしよう。そこで納得できる戦いができたたら、正式に瑞葵に
「せ、正式に申し込む!? ……ホ、ホルダーに関してなんですからね! いいわ、その勝負受けて立つわ!」
あたりまえだ。それ以外に何があるというんだ。それに勝負ではなく試験な。
「それは、私にも言えることなのだろうね?」
ここで麗華が参戦。
そうだな。麗華の立ち位置って意外と重要だよな。製薬会社との繋がりであったり、俺や瑞葵はどちらかというと人の上に立つタイプじゃないから、今後新しくホルダーが増えた場合のリーダー役として申し分ない。
「いいだろう。だがその場合、もう逃げ出すことのできない一蓮托生だぞ。その覚悟があるならやろう」
「い、一蓮托生……(すべてを共にする!? そ、そんなこと急に言われても……)ごにょごにょ」
なんだ? また王女の威圧を感じる……。
「必ず、恢斗にぎゃふんと言わせてみせますわ!」
「私も、恢斗に認められるよう、精進しよう!」
「お、おう。頑張れ……」
なんか、凄いやる気だな。良いことなんだが、なんだかちょっと怖いんですけど。
「それより、今回いつもどおりのレベルアップだったか?」
「いつもと同じね」
「前回と変わりないな」
「そうか。俺はレベルアップもアイテムドロップも無かった。
「問題は最初から俺というホルダーが除外されていたかということだ」
「バトルフィールドを展開したPTに限定されるのでは?」
「それはないと思う。バトルフィールドが無くても
麗華の言うことも頭に浮かんだが、よくよく考えれば最初の頃って俺はバトルフィールドを使っていないことを思い出したからだ。
「最初に
そうなのだ。俺が
「そうなると、考えられるのは二つ。止めをさしたPTの総取り。または、貢献度の多いほうのPTの総取りだな。次回はこの二つを検証したいと思う」
やはり、この二つが有力候補だ。これがわかればうちの組織に所属したホルダー全員にハイランクキラーを取得させることができるようになる。
なのだが、実はこの辺の情報は常識だったりして……。
顧問、ぷり~ず!
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