68.強敵
瑞葵が双剣水弧で
それでも、相対比で瑞葵のほうが負けている気がするので、BPを回復しておく。どうしても、相手の小太刀での攻撃に、一瞬体が強張るようだ。そこら辺も克服すべき点だろう。
「相手の動きをよく見ろ! 剣だけで攻撃するのではなく、スキルも使って自分の有利な状況に持っていくんだ」
俺は瑞葵と
「わかったわよ! やればよろしいのですわよね!」
なんか、言葉がおかしくないか? まあ、そんなことに構っている暇がないのだろう。
その後から、たまに
瑞葵の剣撃が上手く決まり、少しできた間合いの時に麗華の水弾が
これは俺が手を出さなくても勝てそうだな。なんて思ったのがフラグ。
「きゃっ!?」
瑞葵が可愛いらしい声を上げ逃げ惑う。
BPを確認してもたいしたダメージはない。これは火系の攻撃だな。
「瑞葵。惑わされるな。これは火系の攻撃だぞ。自分の持つステータスを考えろ」
「あっ!?」
俺に言われてやっと気づいたか。炎耐性を持つ俺たちには火系の攻撃は半減される。瑞葵の装備している水蜥蜴の鎧にも火耐性が付いている。装備自体もいい装備だからそれほどダメージを負っていないはず。
視覚的に火に包まれて気が動転したってところだ。本来なら攻撃のチャンスだったのに、まだまだだな。
というか、
さっきのどう見ても火遁だろう? 今、瑞葵に投擲しているのも棒手裏剣っぽいし。使っている武器も小太刀というより忍者刀か? 着ている服は洋服だが、赤く光る眼だけを出した顔を覆っているの布は、忍者が使っている頭巾じゃね?
お前、影忍者でいいと思うぞ。
お互いに間合いができたため、中、遠距離攻撃の撃ち合いに状況は変化している。
瑞葵は水刃、麗華は水弾。
そんな中、瑞葵の動きが急に止まる。
馬鹿がTP切れを起こしたな! アンクーシャを使う分は残しておけって言っていたのに。
もちろん、その隙を
助けに入ろうかと思ったが、俺より先に
ありゃ? って感じ。でも、
まだ、瑞葵が動けないので、俺が
加速をもう一度使い
前回の
正直、並列思考と加速ありきでの剣撃。これを、無意識にできるようになりたい。
横目で瑞葵を見るとやっと動き出して麗華のほうへジリジリと移動し始める。
「麗華にアンクーシャを渡せ!」
TPの切れた瑞葵ではTP50も使うアンクーシャの回復を使えるまで、TPの回復を待っていられない。まだTPに余裕のある麗華にアンクーシャを使わせ、
俺の言葉で理解したようでアンクーシャを麗華に渡した後、瑞葵はその場に座り込む。限界みたいだな。
「隙を作るから麗華がこいつに回復を使え!」
「わ、わかった」
「回復を!」
麗華が走って来て
「回復!」
「もう一度だ!」
「か、回復!」
暴れていた
やっぱりこいつ強敵だったわぁ……。
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