37.ステ振り
瑞葵はデザートでも感動の嵐。勝手に俺の頼んだ白玉ぜんざいまで食いやがった。
「このポテト、どうやって食べるのかしら?」
「そのまま食べてもいいし、ケチャップを付けて食べてもいい。あっ、手で直接つまんでも、フォークで食べても問題ないぞ」
ポテトフライを一本つまんで先っちょにケチャップを付けて口に放り込む。
「ご、郷に入っては郷に従えよね……」
顔を引きつらせながら、ポテトを指でつまんで食べる瑞葵。
「ポテトとお塩だけで、ここまでの味を引き出すなんてさすが凄腕ね」
そ、そこまでか? 普通のフライドポテトだぞ?
お嬢様だからポテチとかなんて食べたことないんだろうな……。
ドリンクバーに行ってコーラを持ってくる。やっぱりポテトにはコーラだよな。ちなみにお嬢様はドリンクバーの炭酸系を全種類制覇した模様。今まで、ほとんど飲んだことがなかったそうだ。
「落ち着いたところで、話の続きだ」
「いいわよ」
口にポテトを放り込みながら言ってるが、 お嬢様、闇落ちしたな。
「赤点云々は置いておくとして、レベルは上がったか?」
「アナウンスがいろいろあったわ」
話しを聞くと俺と同じだった。ちゃんとハイランクキラーも取得したようだ。
「ステータスにSPは振ったか?」
「まだよ。恢斗に聞いてから振ろうと思っていたから」
振ってなくてよかった。特化型とかはお勧めしないからな。まあ、決めるのは本人だが。
「ステ値の振りは好みだな。近接特化、遠距離特化、万能型。特化型の中にも細かい特化がある。が、正直特化型はお薦めはしない」
「恢斗は万能型よね」
「俺はソロでやってたからな。仲間がいないのに特化型にすると危険極まりない」
ただ、ここまで戦ってみて、例え仲間がいたとしても特化型はないなと思っている。
それはなぜか?
例え六人PTで全員攻守前衛後衛バランス良く特化型が集まったとしても、一人でも相性の悪い者がいるとそこから戦線が崩壊する恐れがある。
万能型六人でお互いに状況を確認しながら、全員でボコるほうが安心できると経験上思い至った。
まあ、万能型にするにしても必要なのは、ステ値も大事だがスキルや武器防具も大事になりそうだけどな。
スクロールやオーブは運次第だが、経験によるスキルの習得がどれくらい認知されているかが知りたいところだ。
俺が経験上知っているのは、相手の攻撃を受ければ死ぬのではないかという経験をすることで覚えた危険察知。ナイフで戦っていたから覚えたと思えるプチ剣技。BPをわざと減らしてアンクーシャで回復を繰り返して覚えたプチBP回復。
こういった習得方法が確立されたものが組織にはあるのではないかと思っている。
「私は魔法戦士希望だから万能型かしら?」
「万能型でも特化ほどではないにしろ、特色を持たせるものありだな。SPを全体に振って余った分を好きなステにだけ振るとかな」
俺は命大事にだから、余ったSPはBPとTPに振ることにしている。
「じゃあ、私は万能型のAGI型にしようかしら?」
「その心は?」
「当たらなければどうということはない! って言ってやるのよ!」
こいつ、やっぱり隠れオタクだな。いっそのこと
いや、駄目だ。せっかく見つけた協力者兼仲間だ。
「そ、そういうのも、い、いいんじゃないかな? ははは……」
「そうなると、全身、赤でコーディネートするべきかしら!」
そういえば、赤のシザーバッグ選んでたっけ……。
ノートに書き出してもらったステータスを見た。得られたSPは17、それを全体に振って余ったポイントをAGIに振ったようだ。ランクは12アップしているな
「AGI型というよりINT型になっているわね」
「それは装備分が加算されているからだな」
俺が瑞葵に貸した装備は魔法使い系のいい装備なのでその分が上乗せされている。
「恢斗が言っていたとおりハイランクキラーが増えているわね。これは称号かしら?」
「恩恵付きの称号だと思う。今の瑞葵はBP・TP回復、取得経験値、アイテムドロップ率が1.1倍になっている」
「恢斗の比率はどのくらいなのかしら?」
「2.1倍だな」
「チートね……」
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ステータス情報
ホルダー6441(12UP)
ホルダー適合率178%
BP 159(70+89)
TP 159(70+89)
STR 12(3+9)
VIT 12(3+9)
INT 12(3+9)
AGI 13(4+9)
DEX 12(3+9)
LUK 12(3+9)
引力 Lv1
斥力 Lv1
ハイランクキラー
黒魔導士のローブ(BP+60 TP+20 INT+10)
黒魔導士の杖(TP+30 INT+20)
象牙の小手 (BP+50)
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