ショッピングへのお誘い
それからしばらくは当然のように慌しかった
病院での検査、性別書き換えにまつわるあれこれ、学校側との話し合い、女子用の制服の新調などなどそんなこんなで8月も終わりが近づいて来たある日
「晶ちゃん、はいこれ」
そう言って渡されたのは封筒に入ったお金。結構な枚数がある
「母さん、これは?」
「研究協力金の一部よ」
「ああ、なるほど」
TS病の研究や投薬治験などで結果な額が支払われている
「それで、女の子の服を買って来なさい」
「えっ?なんで」
「いつまでも男の子の服を着てるわけにもいかないでしょう?色々とサイズも合ってないし」
「それは確かに……」
「夏休みが終わって学校が始まったら騒動も起こるだろうし、買い物に行く暇は無いと思うわよ」
「それもそうだな」
「だから女の子らしい服、何枚か選んで来なさい」
「俺が⁉︎母さんが買って来てよ」
「口調!ダメよ女の子として頑張るんでしょ?あの時助けてくれた真由美ちゃんと一緒にショッピングして来なさい」
「うーん、わかった」
と言う訳で俺は朝倉さんに連絡を取った
『どうしたの?晶ちゃんから連絡してくれるなんて珍しいね』
「実はさ、夏休みが終わる前に一緒に出買い物にいって欲しいんだけど?母さんから『女物の服を買い込んで来い』って言われてさ」
『なるほどね〜。良いよ!いつにする?あ、私の友達にも声をかけていい?』
「いいけど誰?」
『同じクラスの女の子達だよ』
「えと、それは」
『TS病の事クラスのみんなには言うんでしょ?その予行演習だと思って、ね』
「仕方ないか……」
『うんそれじゃあ連絡とって予定確認するよ。晶ちゃんの予定はどう?』
「私はいつでも」
『わかった。また連絡するね〜』
という事で俺と朝倉さんを含めた4人でショッピングモールに出かけることになった
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