まさに一粒で二度美味しい作品

最初は何者でもない、ただ非日常に少し憧れる少年アキラが、異世界ですでに一回壮大な冒険を遂げた主人公ミレイユ一行に出会うことで始まった物語です。

はじめからつよつよなミレイユたちが理不尽な強敵に立ち向かい、知恵と力を絞ってどうにか運命を変えようとするのは見応え満載だし、アキラがどんどん成長して一つずつ階段を上がっていく様を楽しむのもよし。特にアキラの化け具合は凄まじいです。まるでチェスのポーンが昇格するような爽快感があります。

（これ以降はもっと直接なネタバレがあります）








個人的に一番オススメしたいのは中盤の山場、ミレイユがオミカゲ様と相対するあたりです。長い月日で昇華した、様々の想いが入り混じって、読み手の感情を圧殺する勢いで仕掛けてきます。初めて読んだとき頭が真っ白にされました。