応援コメント

一方的な闘争 その8」への応援コメント

  • ごきげんよう、モデスカルさんのエピソードをここで挿入する手腕に、頭が下がります。
    これが素敵なのです、例え彼がこの場で儚くなるやられ役だとしても、この語りがあるのとないのとでは、物語の深みが違います、読み進める読者の物語への傾注度が変わります、読後感が天地ほどの差になります。

    彼も被害者といえばいえるのでしょう、一番の被害者はそんな彼に率いられてモチベーションが低下していて、冒険者との力量の差が明確になっているのに数の上で主ry区扱いされている二万の兵卒さんたちでしょうが。

    数より個、という価値観が戦闘の中で確立されているのは、刻印を持った冒険者の火力と経験から信じられている価値観なのでしょうが、だからこそ戦術面での発展がこの世界ではなかったのでしょうね。
    現代戦でいえば、必ず兵器の優秀さよりも最後には数が勝ちますものね。
    だからこそ戦術、作戦、戦略が学問として発達したわけですが、この世界で冒険者のほうが戦闘に長けているという事実がありながら、常備軍数万を養い続けるということ自体、王国上層部が戦略を考えていないということになりますよね。
    それを一番気付いているのは、皮肉にもモデスカルさん、ただ一人、なのかもしれませんね。

    作者からの返信

    ごきげんよう! いつもながら、感想ありがとうございます!
    うぅぅ……! 率直なお褒めの言葉、胸に沁みて身体が震える思いです! ここでやられ役の視点があると、物語に深みが出る筈! という感に頼って差し込んだエピソードでした。

    モデスカルもまた、本来兵役すら満足にこなせない癖に、何故か選ばれてしまったので被害者ともい言えますが……そうですね、一番の被害者は、それに付き合わされた二万人の兵たちですよ。

    この世界では数より個が重んじられますが、確かに現代というか史実においても、一騎当千が実現したのは遥か古代の話ですし……。それすらも脚色された上での話ですから、中々に想像し辛いものがあると思います。
    数を揃えた方が勝つ、というのは当然の話で、そこに戦術も加わって順当に勝利を得ていくものだと思うのですが、こちらではちょっと残念な部分が目立ちますよね。

    ハッキリ言うと王国上層部――もっと言うと王様――は無能なのですが、その無能にも実は理由があります。王国は常備軍を養っているので貧乏で、その上食料自給率も低く、貿易に頼り切っています。その税収が王国を存続させているのですが、何故まともな国政を執らないのか、という部分についても、実はちょっと裏があったり……。
    兵を千人養うより、強力な個人一人を鍛え上げて十人分の給料払えばいい、という話になりそうなものですけどね……。