決意

母の一周忌、君に尋ねた。

あの日、母の言葉になぜ、君が泣いたのかを。



初めて君を家族に紹介した日、母と二人きりで、何を話していたんだい


あの時のお義母さまの言葉でね、わたしの気持ちが固まったかな。あなたと結婚しますって


母は、なんて言ったの?


ふふっお義母さまね、こう言ったのよ

自慢のお庭を案内しながらね……


言いながら、また君は泣いた



『花だけ観ていては駄目よ。植物はね、枯れてゆく姿が一番美しいの』……って




母、自慢の庭。

そこには、自然への憧憬しょうけいがあり、共存があった。

花が咲いている時だけでなく、植物のライフサイクルや特性、枯れた姿をも慈しむ、母の世界が広がっていた。


それはまるで、

自然がすべてを受け止めるかのように。




・・・


参考音源

「アマポーラ」

https://youtu.be/qqwMxILm7Do

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