第2話 依代の思考
「あああああああっ!!」
そう叫び私は目を覚ます、周りを見渡すと見慣れた自分の部屋が写っており隣にはお気に入りのぬいぐるみが飾ってあった。
「あれ…夢…うわぁぁん夢でよかったぁ」
私が見た神社や謎の声は夢だったのだ、そう思うと安堵で体の力が一気に抜け、再びベットに寝転がってしまう。
スマホでカメラを開き反転させ自分の顔に穴が空いてないのをぺたぺた触り確認する、そこに写っていたのは何処も穴が空いておらず再び私は安堵した。
「ほんとみたいで怖い夢だったぁぁ、もう二度と!みませんように、!!!」
私は手を合わせて天井にそうお願いしつつ
飲み物を取りに行く為に起き上がった。
タン、タン、そう音を立てながら螺旋状半の階段を降りる、スマホで見た時時刻は5時だった事もあり、部屋は全体的に赤みがかった光が差していた。
(降りてすぐ隣に手洗い場があるから、そこでもう一度顔確認しようかな)
そんな事を思いながら私は左に曲がり鏡を見る、そして鏡の前で何度も顔をぺたぺた触る
「…うんっ!なにもない!」
ボブの髪型、外に出ないため白い肌、なにも変わっていない自分の顔をみて何度目かの安心したため息をつく。
鏡の上についてるライトを消そう、そう思い私は前を見る、
「どぅも 」
ーーー私の目の下にもうひとつ目がついていた。
ぐりんと音を立て私を見た目玉は三日月のようににやけながら私に話しかけた。
「おちぃつぃ「ああああああああああああああああああああああああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!」
なに!?なんで!?私はそうヒステリックに叫んだ、今の状況が理解できない。
「ぁぁ、これわぁ、見せたほうがはやぃ」
私についている3つ目の眼はそういって私の目の下にさらに眼を増やした。
普通の人は恐怖で自分の顔を掻きむしるだろうか?逃げるだろうか?恐怖で足がすくみ動けなくなるだろうか?
(あれ、これ見た事ある…懐かしい感じ)
私は何故か安心していた、これはまるで、
「私の夢に出たおいでって声……」
私についた5、6っ個の眼はそれを聞きニヒルに笑う。
「おもいだしぃた?」
「夢じゃないの…だって、この眼がほんとなら、私は…あの時殺されて、あなたが…」
夢の内容を思い出し吐きそうになり、よろけながらも話に返事をする。
「しかたなぃよ、あそこぉ出る条件は死ぬことだからぁね」
眼は続けて話し続ける。
「僕はぁ蛇の神、まあ、邪神の方だけどぉ、よろしくねぇ、依代」
この時、私はこの邪神と契約して依代になったこと、夢では無く神隠しだったということを認識した。
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「咲さん、落ち着きましたか?」
いったいさっきまでの言葉のなまり方はどこ行ったのか、ぺらぺらと喋りながら眼は私にそう声をかける。
「落ち着かなくなった原因に言われても困るんだけど、」
「はは、そうですね、せっかくですしもう一度説明しますね」
眼はそっと伏せながらゆっくりと話し出す。
「この世界には神や邪神などが存在するんですよ、そしてたまに神による、あなた達にとって神隠し?が起こることがあります」
「…あなた方にとって神隠し?って本当は違うの?」
「はい、私たち神側ではあれを【天使の裁判】と言います、貴方が居たあの神社は人に罪悪感を強制的に植え付ける空間ですね」
「なにその押し売り裁判てかそれして天使側のメリットってあるの?」
私は顔をしかめてそうつっこむ、神だけでなく天使もいるのか、というスケールの大きさにもはや怖がると言うよりRPGの内容を聞いてるような感じだった。
「私たちにとって貴方達の神のなり損ないのマイナスな感情を浴びると力が弱くなってしまうのです、今回は私の封印場所の神社がボロボロになっていたため私の声を伝えおびき寄せ、裁判を強制的に終わらせられましたが」
「おびき寄せる言うなし、まぁつまり私は貴方の力を抑える為に天使に誘拐されたと、にわかに信じられないなぁ…」
むむむと言いながら考えるように目をつぶってる私に対して眼はぱちぱちとして驚いたような声を上げる。
「……冷静ですね、今更ですけど普通私を見たら発狂しますよ?」
「なんか、現実感ないって言うか、今も夢って思ってる」
(というか1回発狂してるし…)
眼、邪神は目を見慣れたような三日月の形にして面白いですねとつぶやく、そして続けて
「…ははは、あなたは他の人とは違いますね、長い付き合いになりそうだ」
「え、やだ、てかいつ依代じゃなくなれるの?」
私は眼に指を指しながらそう聞く。
「私が成虫になるまでですね、それまで神によって死なないように生きてください」
「へー邪神って虫みたいなんだねーーー…………………あれ??え、死ぬ可能性あるの?」
え??なんで?それまずくない?そう思い私はきょとんとした後焦りながら邪神に対して質問する。
「そりゃぁ私は邪神、しかも【なぜか】封印が解かれてますからね」
お前がそういう風に仕向けたんだろうが!そう言いたい気持ちをぐっと堪え、絶望した顔でベットに飛び混んだ。
「………まぁ生きてるだけいいよね」
依代の歩き方 はいんじん @wtpmjgda7878
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