第7話 兎耳嬢、オペレーションルームにて目撃す。

 

 

「……何かあったら逐一報告ね。もう地球むこうに出なきゃなんないから、頼んだわよ?」


 ああもう忙しい、と仰いながら新たな主神ルミナリエリー様は異世界、地球へと旅立たれて行かれマシタ。


 申し遅れましたが、ワタクシはデオラントの天空に設けられた管理棟にてオペレーターの業務を任されておりマス、ハニバニル637号でゴザイマス。


 いわゆる兎耳ウサミミとシッポのあるメスの人型デス。一応、ワタクシ共も神の御使いのハシクレではありマスが、滅多に地上へと降りるコトはアリマセン。その代わりに地上にはコミュニケーターと呼ばれる存在が複数オリ、主に地上世界での情報収集と監視を行っておりマス。


 さて、今回の事例はイササカ特殊なものデスね。他世界より有用な人材をスカウトし、このデオラントへといざなう大天使デミタセお姉さまガ、いつもの面食いバーストを発揮シテしまわれたようデス。


 アノ方はカワイイもの、カッコイイものを見つけるとワレを忘れて暴走してシマウ悪癖……もとい、習性があられマシテ。今回もその特殊技能がイカンなく発揮されてしまわれたようデスね。


 それにしても、今回の主神ディラボートノエ様の対応はダメダメの極みデシタ。可愛い方が華があっていいじゃんという一言でワタクシ共が兎耳の人型になっているコトからも分かりますトオリ、あの方は少々所があられマシテ。


 コトの重大さをミリほども分かっておられない、ソノあまりにもな態度に愛想を尽かされた管理神ルミナリエリー様の発議にヨリ、管理棟の全員一致でディラボートノエ様は主神の座を追われるコトと相成りマシタ。


 ルミナが表立ったほうがウケが良いに決まってると常々ワタクシ共に説いておられマシタが、ディラボートノエ様は何も理解されておられナイ。



 表側でニコニコ愛想を振りまくという気疲れはあるかも知れまセンが、主神メインよりも実務面での負担が飛躍的に高まるノガ、後ろに控える管理神サブという立場であるコトを。フフフ……。

 

 

 

 

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