第3話 さてはテメー、こんなトコロでぼっちだな?

 

 

 そもそも出るトコ違げーだろ。こんな高原っぽいシチュで1体だけて。さてはオメー、根性なしのボッチだな? もしくは運営サイドの設定ミスだと言ってくれ!


『グヒュルルル……ブギーッ! ブギーッ!』


 それさっき聞いたよ、パターン少なっ。あれか、ほとんど喋んないキャラの感情の違いを読み解いて閉ざした心をこじ開けろってか? どこのヤンデレだコンチクショウめ。当方チュートリアルを要求する! メニュー画面、出てこいや! ……さいですか出て来やがりませんか。


「メニューオープン! ステータスオープン! 開けゴマ! 深淵の宵闇よ悉く敵を討ち滅ぼせ!」


 厨二ワードも反応ナシね。魔法陣も内なる魔力の高まりもありゃしない。そんままコッチ来たっぽいしなぁ。初手で詰みじゃんよコレ。


「武器っつったってショボいライターで何すんのさ。それよかカードでも飛ばす?」


 今日チャージしたばっかだからヤダー。もう使えんけど! 魔力が無いなら超能力? そんなんあったらそれでメシ食っとるわい。


 逃げるってもローファーじゃロクに走れんし。金的は効くか? あんなんに。目潰しはそもそも届かん……おろ?


 5、4、3、2、1……ゲッダンッ伏せろ


 \\ グオンッ、ガッッ!!! //


『ブガッ?! ブギョェーッ!……』


 ゴッ!! ガランガラン……。


「…………シャレならんってマジで。物理的にヒャクパー見えんは流石に……来んの分かってたなそういや」


 なんか完全無音でみたいなんだけ迫ってきて、クソブタ引っ掴んだらクソでっかい鳥が姿現してドヤオーラ満開で飛び去って行きやがんの。ついでにブタが驚いて手放した棍棒みたいなんが目の前に落っこちました。危ねぇ……。


 前半透明で見えてないっつっても、あんだけ圧あったらいくらクソブタちゃんでも気付くでしょうよと思うじゃん? 多分アレ、獲物に魔力的なロックオンをしてる見えないレーザーみたいなんを感じ取ってたっぽい。本来は鈍けりゃ気付かないぐらい線が細いんだと思う。


 漏れてる弱い魔力が感じ取れてたんなら、ギリ魔法使えなくも無いんかしらん? あの感じ、あの圧みたいの……これか?


 ぼんや~と全体をぐるぐる回ってる流れがある。これを指先に集まりやがれと一本立てて、ムムッとその流れを溜めて……ぐるぐるしてたのが渦を巻いて太陽みたいに固まって――


 \\ ボウンッ!!! //


「おわっ!? ビビッた~……いきなり出来てどうすんだオイ」


 太陽の炎がボッと噴き上がるイメージをしたらそのまんま発動。5メートルぐらいの火柱がファイヤー! しましたよ。


「さっきコレやってたら勝てたんじゃね? ……イヤイヤ、どのみちクソ鳥にエサくれてやんなきゃ生き残って無いわ」



 ま、結果オーライってコトでひとまずフィニッシュです。

 

 

 

 

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