第5話 釜玉+とろろ+有明のり 新堀


【新堀】


代々木にあるうどん屋さん。

変わり種の「釜玉めんたいうどん」が目当てで行った。

しかし、王道のうどんに惹かれるのは人の常。

気付けば「釜玉+とろろ+有明のり」を頼んでいた。


運ばれてきたうどんは光り輝いていた。

綺麗。

食べ物に使う言葉かわからないがうどんはつやつやに輝いている。


とろろと海苔と生卵をうどんに絡ませるため、ぐっちゃぐっちゃに混ぜる。この背徳感はたまらない。


口に入れればつるんっとうどんが入ってくる。

しっかりとしたお出汁の味がする。

とろろが混ざってもそれは薄まらず。海苔の風味が鼻に残る。

うどん自体にも塩味を感じた。


コシがあるのに硬すぎず、顎が疲れないちょうどよい噛み応え。

つるつるしたうどんが口内で踊る。


おともに頼んだ「かしわ天」は鶏肉の天ぷら。

揚げたてであっつい。

白い衣がサクッサクッと音を立てて咀嚼される。

脂っぽくないのにジューシーで柔らかい。

何よりもこのかしわ天に感動してしまった。


次こそは釜玉めんたいを食べてみたい。

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