第2話変わった放課後
明城さんとラノベや漫画・アニメについて語り合ったあの日から僕の放課後は変わってしまった。毎日というわけではなく、僕が放課後の教室に残る日だけ、僕の隣で明城さんがラノベを読むのだ。害を加えられるわけではないのでやめてと言えないでいた。別に嫌というわけではないのだが、今まで一人でいた時間が誰かといるということに戸惑っているというだけで慣れればいいだけの話だ。
でも少し楽しみにしていることもある。好きな作品について語り合ったあの日、
一つだけわかったことがある。それは僕と明城さんは好きな作品が似ていて好きなジャンルが一緒だということだ。
同じジャンルが好きということで作品について語り合う時は中々に盛り上がる。意外にも明城さんは作品について詳しく、ガチ勢ぐらいしか知らないような情報も知っているので。僕もオタク全開で話せる。
それから放課後以外でも、僕と明城さんは話すようになった。といっても明城さんとは同じクラスで夏休み明けの席替えで隣の席になった。だから授業のペア学習とかでは話していた。でもお互いの趣味の話はしたことがなかった。
中学でも同じような学校生活を過ごしていたが、僕は自分の趣味の話をしたことがなく、高校に入学して半年で趣味の話をできる人ができて少し嬉しかった。
高校に入ってもどうせ3年間一人でラノベを読むだろうなぁと思っていたから、一年の時から誰かとこうして好きな作品について話せることはとてもよかった。
どうせ次の席替えで席が離れて話すこともなくなるだろうから、今くらい喋っていてもいいだろう。
放課後になり今日も今日とてラノベを誰もいない教室で読んでいる。すると
「あ~やっぱり今日もいた~今日は何読んでるの?」
「……今日は新しいやつ。」
「へぇ~あとどれくらい?」
「あと20ページぐらい。」
「分かった。また隣で読んでるね。」
僕はこの言葉に対して言葉を返さずにラノベを読んで行く。僕が冷たくしても、もう明城さんは何も言わなくなり僕は、僕のことを理解してくれたのかなと都合の良い解釈をしている。
「……読み終わったよ。」
「……」
珍しく明城さんが僕の声に反応しなかった。集中しているのだろうと思い僕はこれ以上声を掛けなかった。
「……ごめん読み込んじゃった~」
「別にいいよ僕もいつも明城さんのこと待たせてるし」
いつも僕が読み終わるのを待っているし待たせってしまっていることは申し訳ないと思っている。まぁ明城さんが勝手にやっていることといえばそうなのだが、楽しませてもらている以上はあまり迷惑になるようなことはしたくない。
「……」
「どうしたの?」
僕が考え事をしていると明城さんが話しかけてきた。僕は慌てて
「いや何でもない」
と誤魔化したが明城さんがそれを許さない。
「なんでもないわけないよね。何考えてたか教えてよ。」
「いいけど怒らないでね」
と前もって保険を掛ける。
「何それ怒らないよ。内容によるけど。」
僕は怒られないことを祈りながら、観念して考えていたことを素直に言う。
「なんで明城さんは僕と話してくれるのかなぁって思って」
明城さんの顔を見るとポカンとしていた。
「……あははははなんだそんなことか~」
僕は真剣だったが明城さんからしてみれば‘「そんなこと」らしい僕は少しむきになってしまい
「そんなことって僕は今まで人とあまり関わらないようにしてたし関りを持たないようにしてきたのになんで明城さんは僕と話してくれるのかなて思って。」
「私が君と話す理由なんてちっぽけなことだよ。」
ちっぽけなこと?と思った
「私が西川君と話していて楽しいからだよ。」
「……そっかそれはよかった。」
僕は下を向く
「あれあれ~もしかして照れてんの~」
正直に言えば嬉しかったし、今顔は真っ赤になっているだろう。それくらい僕にとっては嬉しいことだった。
「まぁいいやそれよりアニメの話しようよ。」
「そうだねどの作品の話をしようか。」
「う~ん」
と明城さんは考えていた
僕は明城さんが考えてる間に心を落ち着かせた。
「今期の異世界転生物の作品の話をしようよ。」
「いいよ。どの作品から話そうか。」
「そうだね~」
とまた明城さんがまた考える。
僕と明城さんは心行くまでアニメについて語り合った。
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