白鳥さんと関西旅行

1話 そうだ、京都に行こう

春……。寒さも和らぎ、どこかに出掛けたくなる季節。




「そうだ、京都に行こう」


 始まりは唐突である。


「いや、唐突過ぎるわ! お前はどっかの旅行会社の回し者か!?」


 こいつの言動は、いつも唐突で……。


「明日、早速出発するから準備しておきなさいな」


 何の遠慮もない。


「ったく、しょうがねえな」




 こいつ白鳥美和子と、おれ高村秀が出会って、もうすぐ一年になろうとしている。


 自称「白魔導師」の白鳥に、ひょんなことから「使い魔(別名:パシリ、下僕)」にされてしまったのだ。


 そして、今日も今日とて振り回されているという訳だ。

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