第27話 なんか、ほっとけない。

 五限目が終わった後、おれは教室から、自分と白鳥のカバンを持ってきて、担任に体調が悪いので早退すると言って、学校を出た。

 もちろん、体調が悪いなんて、ウソである。

 校門を出たところで、おれは言った。

「なんか、不良みたいだよな、おれら」

「……そうね」

 白鳥は苦笑して言った。

「……あのさ、話したいことがあるんだけど」

「何よ?」

「……あとで、話す」

 辛いけれど、話さなければならない。




 白鳥の家に着いた。

「話とは何かしら?」

 家に着くなり、訊かれた。

「夕飯作ってから、話すよ。ちなみに今日はカレーな」

 話さなければならない。


 白鳥美和子……。

 自称黒魔導師で、毒舌で、甘党で、オカルト好きで、オタクで、中二病で……。

 プチセレブで、イギリス人の血をひいていて、筆記体が読めて……。

 おれのこと、アホとかいう奴だけど……。

 なんか、ほっとけない。

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