第26話 よし、決まりだ

 白鳥は、屋上に居た。

「白鳥っ!!」

 呼んだ途端に五限目開始のチャイムが鳴った。

「あ~あ、五限目、始まっちゃったな」

 白鳥は、黙々と黒歴史に何か書いていた。

 きっと、さっきの奴を呪っているのだろう。

「……私、ああいうのは、嫌いよ」

「……おれも」

 少しの沈黙。

「……なあ、授業、サボっちゃおうか?」

 授業なんか、やる気がしなかった。

 白鳥が、小さく頷いた。

「よし、決まりだ」


 もうひとつのことも決まった。

 白鳥に全て話そう。

 

 それは、きっと、おれにも白鳥にも辛いことになるだろうけれど……。

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