第18話 私は私

その日の帰り道、白鳥とおれは、いつもの公園に来ていた。白鳥曰く、作戦会議とのことだ。

「昨日の夜、ついに霊からのメッセージがあったのよ」

 白鳥はコンビニに寄って、買ってきたクレープを頬張りながら、言った。

 この黒魔導師は、買い食いもするし、甘党でもある。

「で、何て書いてあったんだ?」

 白鳥は黒歴史を開いて、そこを指差して言った。

「ここよ。『私は私』と書いてあるわ」

「どういうことだ?」

 自分は自分なんて、当たり前だろうに。

「私もこの霊が何を伝えたいのか、よく分からないわ」

 白鳥も分からないのか。

「で、これからどうするんだ?」

「そうね。でも、一つはっきりしたことがあるわ」

「何だ?」

「それは、霊は私の家でしか行動を起こさないということよ」

 そういえば、住み着いてるって……。

 もっと、早く気付いてくれれば、昨日と一昨日の張り込みはしなくて良かったのに。

「だから、今週の土曜日に私の家に来なさい」

 つまり、あのデカイ家にお邪魔できちゃうのか。

 ていうか、女子の家なんて、小学校の時以来なんだけどーっ‼

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