第17話 あんた、誰?

次の日、おれは久しぶりに白鳥以外のクラスメートに話し掛けられた。男子トイレで。

「……高村、お前何であいつと普通に話せるんだ?」

 ちょっと、驚いてしまった。

「えっと、あいつって白鳥のこと?」 

 彼は頷いた。

「あ、その前にあんた、誰?」

 失礼な訊き方だったが、おれはまだクラスメートの名前をほとんど覚えていなかった。

「……鈴木だけど」

「ああ、覚えとくよ。……で、白鳥と何で普通に話せるのかって?」

 鈴木は、また黙って頷いた。

「おれ、誰とでも分け隔てなく話せるタイプだから」

 それだけ言って、おれはトイレから出た。

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