第4話

 次の日、白鳥は昨日と同じくらいの時刻に教室のドアを開けた。

 遅刻ギリギリの時刻だ。もう一つ前の電車にすればいいのに。

 黒魔導師は、朝が苦手なのだろうか。

 眠そうな白鳥に、おれは声をかけた。

「よっ、おはよう。随分と眠そうだな。」

 あくびをしていた白鳥が少し驚いて、おれの方を見る。

「ああ、それは……。昨日は夜遅くまで、儀式をしていたのよ」

 それを聞いてしまった前の席の生徒ががビクつく。

 儀式……。もしかして、生け贄とか……。いや、怖いって。

「あなた、私に話しかけるなんて、けっこう見込みがあるわね」

 何の見込みが?

 白鳥は、さっきまでの眠気が消えたように続けた。

「では、特別に私の素晴らしい黒魔術を見せてあげるわ。学校が終わったら、私に付いて来なさい」

「え、えっと……」

 できれば、付いて行きたくはないのだけれど。

「ちなみに、あなたに拒否権はないわ」

ひどすぎる。


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