口癖

第1話

「明日やろう」最近の口癖である。いや、最近ではなく、僕のこの人生の口癖である。これを言った翌日にやった試しがない。今を楽しようとしてる奴が明日になってできるわけがない。そんなことは少し考えれば分かることなのに、結局できない。「明日やろう」と言ってできる人は、今を楽しようとしているわけではない。今やるべきことはなんなのか区別ができている人だ。僕はそっち側に立つことはないだろう。人は変われると誰かは言う。それは励ましにも屈辱にも聞こえる。屈辱に思う人ほど、それをバネに変わっていく。励ましと思う人ほど、行動に移さず、言葉だけをいいように受け止める。人間は単純だ。何事もいいように捉えることができる。やりたくないことから逃げる理由を考える天才なのかもしれない。無駄労力に頭を使う。脳みその無駄遣いだ。動物を見て、「何も考えないでいいな」と言う人がいるが、考えられる脳を持っていながら考えない人間をみて動物は「こいつら脳の無駄遣いだな」と思っているだろう。人間社会が発達できたのは、この脳みそをうまく使えた人がいたからであって、9割以上の人間は特に何かをしたわけではない。ただ生きてるだけ。うまく使える人が考えてくれたアイデア、発明を使い生きるだけ。人間はずるい生き物だ。人間の惨めさをこんなにつらつら書いている僕も9割側の人間であることは変わりない。自覚しているなら今からでも変われるかもしれない。いや明日やろう。