第十話 転生論者、あるいはミハイル・アインス

二〇三六年六月四日 二時四分九秒


 歴史の長い期間、陰謀論者は少数派であった。それは歴史の舞台裏を主な活動領域として、主流な人々の思想や生活に対して影響を与えることは殆どなかった。

 だからこそ、それが主流となり世界に深い影響を与えてしまうような時期は、歴史において暗い誤りの記憶として語り継がれる。中世の魔女狩りがその代表例であるし、二〇二〇年代の米国の分断もそうだろう。そしてその多くは、世界があるがままに複雑怪奇であることを受け入れようとしない人々に、自らが解釈できる程度の単純な論理であたかも世界を解き明かすことに成功したかのような快感を提供してくれるが故に広まる。複雑な事象を束ねる一本の公理や公式を発見したときのような、難解なパズルを解き明かしたときのような快感を擬似的にそれは与えてくれる。所詮、擬似的なものに過ぎないが。

 全ての快感がそうであるのと同じで、これはどんな立場や能力を持った人間にも等しく麻薬のように作用する。だからこそ「まさかこんな人が」というような人物が陰謀論や怪しい新興宗教の文句に囚われることがある。それはその理屈自体を理性的に解釈しているのではなく、単にその「分かった感」という快楽の虜になってしまっているだけなのだ。


 それは、世界第二のIT企業「WinTech」のCEO、ミハイル・アインスにとっても同じだった。

 彼は熱心な転生論者だった。日本の創作文化に端を発するカルト思想の一つで、「死んだ人間はここではない別の異世界へと転移し、そこで新たな人生を授かることが出来る」というのが趣旨だった。それが単なるオタク界隈のジョークから、一部のエリート層へ届く哲学までに至ったのは、「転生後の世界で無双をするためには多くの知識や経験を蓄えておく必要がある」という考えがそれに付随したからだった。無知蒙昧な高校生が突然、未知の物理法則が支配する中世程度の文明世界に放り込まれたとして、知力でも武力でも到底活躍など出来るはずがない。反対にその世界で活躍するためには、可能な限りこの世界の知識や経験を身に着けておく必要がある。来世のための勤勉という哲学として受容されたことが、転生思想の普及を支え、そして部分的にでは有るが経済発展すらも支えた。それは丁度、かつてプロテスタントの思想が資本主義の発展を支えた歴史を数百年ぶりになぞるかのような過程であった。


 では、転生思想のコミュニティは真空崩壊の恐怖をどのように受け止めたか。反応は分かれた。一部は、真空崩壊こそが異世界への一斉転生であると歓迎し、偽の真空の後に生ずるであろう真の真空状態の宇宙こそが、彼らの望む異世界であると考えた。他方で、真空崩壊は異世界の宇宙もろとも消し飛ばしてしまう極めて危険なものではないかと考える一派も居た。

 だが、その中で主流となった考え方は、ミハイルが提唱した考え方だった。

 真空崩壊によって得られるのは「死」ではなく「消滅」であり、それによって転生はできない可能性が高い。他方で他の異世界は真の真空で出来ている限りは崩壊の影響を受けることはない。よって、真空崩壊が迫る前に自ら死を選び、真の真空で構成された異世界へと避難するような形で転生せねばならない。

 そしてそれを、全人類に対して適用されるべき論理だとした。ミハイルは速やかに準備を進めた。破滅を迎える前にすべての人々を新世界へ誘うことこそが彼の使命であると確信していた。

 大量転生を実施するための技術的基盤を彼の会社は持っていた。まず一つには世界シェア四割を誇るドローンネットワークがある。機体に武装をさせても良いだろうが、無線充電用のマイクロ波送信機構が装備されているので、数万単位のドローン群をいくつも作れば、地球上の街という街を一つずつ巨大な電子レンジにして周っていくことが可能だった。

 また欧州連合軍の軍事ネットワークのクラウド環境を提供する立場にもある同社は、フランスの核兵器に対して不正にアクセスできる基盤も有していた。WinTechはScooLとの間で暗号通信における相互確証破壊を成立させている、唯一の企業体だった。つまり互いに互いの暗号通信を完全に解読できる能力を持っている故に、それを他方に対して行使することができないというジレンマ状態にあったが、それ以外のあらゆる組織とはその限りではなく、フランスあるいは欧州連合の政府も例外ではなかった。

 世界を放射線とマイクロ波、二つの電磁波で焼き尽くしてしまうというミハイルの試みは着々と準備が進められていた。




「……こんな、日本じゃ今時暇な大学生でも読まないような古臭い話が、まさかヨーロッパの知識層をこんなにも蝕んでいたなんてな」

 ベルリンの一角に聳える高層ビルの四十七階。WinTech本社ビルの執務室に置かれた机は、涼たちが秋葉原で使っているシステムデスクの二倍は広く大きい。カーペットに至ってはまるでホテルのベッドのようにふかふかで、普段座る椅子よりもここで体育座りをして仕事をしたほうが身体への負荷が少ないのではとすら思わせた。

革張りの椅子に座り、腕組みして何かを見据えているミハイル。その真横に立ち、威厳と智慧に満ちたその横顔を見やりながら涼は嘆息した。

「しかし、厄介だ。こいつらは相当な勢力らしい。テロリストみたいに単純に縄回して捕まえておけばいいってもんじゃないだろうな」


 アカネは今回もエメリーが用意してくれたメモを懐から取り出した。

「転生論者の中でも、こいつが所属しているのは『転生評議会』とかいう名前の組織。主にEU圏を中心に五万人のメンバーが居るとされている。その多くが財界の実力者、実業家、政治家、研究家で占められているのが特徴で、故に界隈の中でも最大の発言力を誇っている、と」

「自分の中で向上心に昇華してくれる限りはよかったものを……なんでまた、こんな愚かなことを」

 涼はアカネが読み上げたところに続く情報に目を通し、そして改めて頭が痛くなった。

 転生評議会による全人類の転生計画へのカウントダウンはすでに始まっている。今から四十六時間以内に世界の主要都市に対してドローンによるマイクロ波攻撃と戦略核攻撃が行われる。核攻撃はそのままアメリカやロシア、中国による核の報復攻撃を招き、世界を更に灰と熱と放射線で満たしていくことになる。その了承を下した狂気の人物こそが、この眼前の男だった。

「他の『転生評議会』の連中が計画を引き継いで実行を進めることは間違いないでしょ。音信不通となった場合の指揮系統移譲についてもしっかり準備してあるようだし。どうしたらいいのやら」

 ヨーロッパに久々に行けるとなりアカネは張り切った格好をしていたが、時間をケチった涼がユーラシア大陸を徒歩で横断することを決めた瞬間に、いつものパンツスーツスタイルに戻った。今はヒールではなくナイキのスニーカーを履いている。

「……最悪の場合は、全てのWinTech製ドローンと核弾頭を、この足で巡って回収して破壊、か」

「それだけは絶対にヤダ」

 アカネは心底嫌そうに吐き捨てた。

「ドローンの配置図見た? 本当に地球の端から端まで置かれてる。地球何周分しなくちゃいけないことになるのやら」


 アカネは一枚の資料を涼に見せた。世界地図が真っ赤に塗られているが、よく見るとそれは小さな赤い点の集合で構成されていることが分かる。その一つ一つがWinTechのドローンの所在を示していた。本来ならVisoRで瞬時に共有できるような情報を、いちいち紙に印刷しなければ共有できないということは、この世界に於ける数ある不便の中でも代表的なものだった。

「逆に、その方法がセーフティネットとして存在してるだけ、俺達は恵まれているとも言えるかもしれないけどな」

 危機というのは「面倒で手数も掛かるが確実に解消につながる手段」が常に用意されているわけではない。涼たちにはそれがあった。故に、もう少し確度は落ちるが効率性や即効性のありそうな手段を探る余地がここで生じた。

 穏当な手段は、この眼前の人物本人によって、この計画の実行を中止させるという手だった。それができれば少なくともあれこれと対応の抜け漏れダブリを気にすることもなく、この件について完全に解決することが出来る。だが、この自死の意思を固めている老人に対して既存の論理を用いて説得することは極めて困難であるように思えた。

「アニメーティングを使うのは」

 涼が先刻インディアナ航空機に行った、対象をコマ送り単位で少しずつ動かし、自らの意のままに移動や動作をさせてみせる行為は、そのように命名されていた。アニメ制作会社の労苦に敬意を表して涼自身がそれを名付けたのだが、名付け親当人はその実施には否定的った。

「どうかね。あれは人の体は動かせるし、きっと口や喉だって無理やり動かせば言葉だって自由に喋らせることもできるかもしれない。けれどまさか脳に手を突っ込んで脳波を操作して、その思想までを変えることはできない。俺たちに都合のいいことを言わせたって、目を離したらまたすぐ転生活動に戻るのがオチじゃないか」

「……確かに、じゃあ同じようなことを他の評議会の連中にもやって回るのかとなれば、結局手数は大きくなる。一発で決めるんだとしたら、こいつの考え方そのものを改心させるのが一番ってことか」

 アカネは丸めたコピー用紙で、ミハイルの頭をポコポコと叩いた。ホコリの一つも立たなかった。

「……そうか。……でもなあ」

 その時、涼が一瞬身を捩り始めた。アカネはそれを見てすかさず尋ねる。

「何、なんか思いついたの」

「え? ああ、まあ……だが、大分奇を衒ったプランにはなる」

「今更衒わない手なんてないでしょ。で。どうすんの?」

 涼は、アカネをじっと頭からつま先まで眺めた。

「……何?」

「非常にステレオタイプだが、こういうのは女性が行うものだと相場が決まってるらしいからな」

 そういって涼がアイデアを話し始めると、アカネの表情はみるみる暗く憂鬱そうに染まっていくのだった。


 


 ミハイルは計画の進捗状況の報告を受け、満足そうに頷いた。彼の計画に沿えば、十日間で人類の九十五%を確実に死に至らしめることが可能で、そしてその状況下においては残りの五%も二次的な災害で真空崩壊までに死亡することが見込まれた。真空崩壊という絶対的な恐怖と悪に対して、これほどまでに明快な解決策を提供できる存在は、世界にミハイルしかいない、という自負があった。世界の遍く場所にドローンネットワークを展開し、大国の国防システムにまで深く浸透するほどに自らの会社を発展させてきたのは、まさにこの日のためだったと強く信じていた。

 他方で、自らの計画よりも相当に早く今生が終わることについては堪え難い無念さを抱いているのも事実だった。彼は現在機械工学と情報工学の修士課程にあり、その取得には特別プログラム上とはいえあと一年半は掛ける予定であった。だがそれは果たせそうにない。平均寿命を考えればあと三〇年は悠に知識の獲得に費やせたはずであり、逸失する知識の量は計り知れない。転生後の世界で出来たかもしれない貢献の機会が失われてしまうことを、彼は深く残念に思っていた。

 だがそう考えても仕方がない。ミハイルはすでに自らの寿命を残り四十六時間と定めている。なのでその時間を最も効率よく使うため、再び勉学に励み始めた。

 その矢先だった。


「――このような状況でも勉学に励むという姿勢は、とても清く美しいものだと感じます」

 凛とした声。瞬間、ミハイルは机の引き出しをさっと開いた。中には拳銃が入っていた。

 気がつけば、ミハイルの執務室に一人の人影があった。その姿を認識して彼は息を呑んだ。それは女性のように見えた。その存在は希薄なようで居て、これ以上無いほどに力強いようにも感じられた。古代ギリシアを想起させる白い衣服を纏ったその容姿は彫刻のように美しく、ミハイルの目を奪った。だがその何に先駆けても、彼女から目を離すことが出来なくなる視覚的な特徴があった。

彼女は、中空に浮かんでいた。

 それが尋常ではない存在であることは疑うまでもないことだった。ミハイルは拳銃を握る力を強くした。

「あなたは一体」

「調停者、と広くは名乗っています。危機に瀕した世界に介入し、その調停を生業とする者です」

 ミハイルは驚きながら振り返った。机に対して正面に居たはずの人影は消え、そして調停者は自分の背後に立っていた。

一体どうやってここに入ったのか、などという問を野暮に思わせるほどに、その存在は超然としていた。ミハイルは声を震わせた。

「……まさか、私は死に、あなたは異世界へと私を誘いに来てくれたのですか」

「あなたの望みはそうなのでしょうが、あなたにはまだこの世界で果たすべき役目があります」


 その前に、と調停者は挟んだ。

「まずは、その弾の入っていない銃の引き金から指を離していただけませんか。あなたが目に見えて警戒をしている状況では、これ以上話を進めることは出来ません」

 調停者が握っていた手を開くと、その手から何かがこぼれ落ち、カーペットの敷かれた床にぼとぼとと転がった。弾丸だった。

 ミハイルがその銃を構え、窓に向かって引き金を引いた。だが、かちりという小さな音のみが響いた。監視カメラの映像を見ると、調停者はそこに映っていない。

 ミハイルは肩の力を抜いて、そして椅子に深く背中を預けた。

「……私の役目は、真空崩壊が全てを消し去る前に、異世界へと人々を転生させること。そうではないというのですか」

「もしそれを目的とするのならば、わざわざあなた方人々の手を介さずとも、私たちの力でそれを行うことができます。だが、そうではない」

 調停者が、ふわりとミハイルに近づく。その鮮やかな所作にミハイルは思わず見惚れた。

「真空崩壊は止めることが可能です。他ならぬ、人の手によって」

「馬鹿な」

 ミハイルは酔いが冷めたような声を上げた。

「一体どうやってだというのですか。偽の真空の崩壊熱は、水が地面に落ちるよりも自明な形で波及する。確率のゆらぎによる連続的な冗長さが一切ない、究極的に離散的な現象です。それを止めることなど、人の手では不可能です」

「私は、サイオン・オシロにその方法を託しました」

 調停者はミハイルの目を見た。その瞳は驚きに見開かれていた。

「彼はその全精力を持って、今その方法の実現に向け動いています。それが叶えば、二週間後に世界は今日までと変わらない明日を迎えることが出来るでしょう」

「……サイオンが。そうですか」

 ミハイルは小さく呟いた。サイオン・オシロが信じる計画であるということの意味、そしてサイオン・オシロがそれに取り組んでいるという意味、その二つを考える。それは極めて重大なメッセージを彼に与えた。

「私は、どうすれば」

「現在準備中の計画は即時停止し、世界の安定のために全ての資源を投じてください。この世界は不安と恐怖に満ち、真空崩壊を待たずとも自壊しようとしています。あなた方の組織は、それに対して対処療法を施す準備が有るはずです」

「しかしそれはつまり、異世界が存在しないことを意味するのですか」

「異世界は存在します。しかし、一度に八十八億人の人口を受け入れられるほど、全ての世界が準備を出来ているわけではありません。この地球という、極端に簡素な条件制約下においてすら、あなた方は限られた土地や資源を巡って争いを繰り返してきました。そこからあなた方が質的な変化を遂げたとは、残念ながら言い難いでしょう。あなたの計画はそれを見落としている」

 調停者の言葉にミハイルは瞠目していた。それは全く彼が想定していなかった問題点であった。

「分かりました」

 ミハイルは電話を取り、二、三の言葉を告げた。そして調停者に向き直る。

「計画を停止しました。そしてこれから、対処療法の準備にかかります。これでいかがですか」

「感謝を」

 そういいながら調停者は、少しずつその輪郭を薄くして行った。ぎょっとしたミハイルが、それを立ち上がって凝視する。

「願わくば、次にあなたとお会いするのがあなたの今際の際であることを祈ります」

 そして光の粒とともに調停者が姿を消すと、ミハイルは脱力したようにがたんと椅子に身体を降ろした。




「いい演技に声だった。声優目指せるぞ」

 秋葉原のオフィスに戻った二人だったが、今度はアカネがソファーに倒れ伏せる番だった。グロッキー状態のアカネは声も出せないようで、ただ左腕を撫でていた。

「あんな透き通った声も出せるなんて知らなかった。地声がハスキーでも行けるもんなんだな」

 反応が返ってこないのを良いことに、普段なら不用意には言わないようなことも口に出してしまう。

「……なんであんた、そんな元気なの。アニメーティング、ずっとしてたんでしょ」

 「調停者」のアフレコ主とは思えないような低く嗄れた声でアカネは恨めしそうに言った。

 ミハイルの心を動かすために二人が作り出した架空の存在、それが調停者だった。涼は監視カメラのフレームレートなどを考慮しながら、高速でホログラム映像を映したり消したり、その手でミハイルの拳銃から銃弾を取り除いたり放り投げたりすることで視覚的な効果を担った。他方セリフは都度涼が考え、そしてアカネが喋った。こうして架空の実体をその場に顕現させることが出来たのだ。

「それにしても、なんでこんなのがアイツの心に響いたのか、全く理解が出来ないんだけれど」

「SFじゃなくて異世界転生モノの流儀だからな。女神が現れて自分を導いてくれる、っていうのは」

 若い頃に読み漁ったサブカルチャー読書体験が、まさかこのような形で現実世界を救うことに繋がるとは涼も思っていなかった。その想像通り、ミハイルは驚くほど従順に眼前の超常的な存在が話すことを受け入れた。

「嬉しいやら悲しいやら、どうやら俺はアニメ―ティングの適性があるみたいだ」

「……単純作業の適性が見つかったのは良いことなんじゃない。これから経理処理は全部あんたに任せるから」

「お断りだ……それにしても、あの爺さんに世界の救い方について教えたげたこれは、ウチのWintechに対するコンサルって扱いにはならないのか?」

 世界の救い方についてのコンサルなどこれまで先行事例がなかったが故に価格の付けようもなかったが、ScooLのお陰で五兆円という相場が出来上がった。下請法を遵守させるために六〇日以内の入金を求める請求書を作りながら、外国法人との取引に下請法は適用されるのだろうかと考えをめぐらしていると、アカネがじっとりとした目でこちらを見ているのに気づいた。

「あんた……なんというか」

「尊敬したか?」

 アカネは、V12エンジンを積んだF1車両並みにたっぷりとため息を吐きだした。

「呆れが一層深まった」

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