第5話 強くなるために
(ねむい……)
酷く眠い。
何故だ?
そして俺は意識を手放した。
◆
数週間が過ぎた。
俺は窓の外の木の葉を見ていた。
季節はもう秋だ。
それも体感温度から察するに、晩秋だ。
生まれた時、窓の外に見えたのは桜の気だった。
だとすると、俺が生まれてからだいたい半年以上たったことになる。
ゲームの世界でも四季はあった。
そして、この世界でも同じだった。
ちなみに、時間は、一年は十二か月で一日は二十四時間である。
俺は木の魔法剣に頬ずりしていた。
春から秋にかけての間、俺の中にある気付きがあった。
俺は毎日、あることを確認するために魔法剣スキルで、木の魔法剣を出現させてきた。
その度に極度の眠気に襲われた。
だが、何度も繰り返した。
そしてある日、木の魔法剣を出現させても眠くならなかった。
「やっぱりだ!」
俺は確信した。
そして、自分の立てた仮説が当たったことに歓喜した。
三度、四度と繰り返し木の魔法剣を呼び出す。
日に日に魔法剣を呼び出す回数を増やしても眠くならない。
そう、つまり--
(魔力が上がった!)
ゲームの設定と同じだった。
スキルを使うには魔力がいる。
そして、スキルを使えば使う程、魔力の上限値が上がる。
魔力切れを起こしたキャラクターは一時的にステータスが低下する。
だから俺は眠くなったのだ。
体力や攻撃力もそうだろう。
限界まで体力を消費して成長させたり、強い敵と戦うしかないのだろう。
つまり、攻撃力を上げたいなら、それこそ限界まで身体を酷使するしかない。
努力が重要だった。
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