第4話 レベル0の魔法剣

なにかしようと思ってたのだか……

意識が遠ざかっていく。

瞼をゆっくりと閉じ、眠気に抗う。

俺はスキルの欄に目を向け、考察した。


魔石がないと何もできないのだろうか?

ゲームでは魔法剣レベル0が存在した。

それは魔法剣レベル1に至るまでの救済措置だった。

そして、どのスキルにもレベル0は存在した。

ステータスにはレベル0の存在は現れないが……


この世界でも、ゲームと同じならそうなっているはず。


そのことを思い出し、今後の見通しが少し明るくなった。


(ホントかどうか試してみたいな)


 俺はこの世界で生きる腹を決めた。

 今後のためにも、スキルを理解しておきたかった。

 確かレベル0の魔法剣は木の剣。


 ゲームでは魔法剣を使用するキャラを使ったことがない俺だが、使いこなして見せる。


 このゲームが現実になった世界でどうやってスキルを発動させるのか?

 まずは念じてみよう!


(出ろ出ろ出ろ)


 だが一向に現れる気配がない。


 念じてもだめ。

 ならば……

 頭の中にコントローラーを思い浮かべる。

 その仮想コントローラーに、スキルを発動させるコマンドを入力する。


「あう!?」


 何もない空中に穴が開き始めたあ!


 穴からゆっくり、木製の剣が出てくる!


「あう?」


(ださい……)


木製の魔法剣。

その長さはカッターナイフくらいのものだ。

しかも、柄に飾りすらない。


俺は不満だ。

なんだこれ。

だが、手に取った。


生きていくために。

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