実は肉食系です
ご飯を食べ終えた私たちは、使った食器を二人で片付けていく。
私が皿を洗い、瑠花先輩がそれを拭いていく。これは彼女の家に泊まりにくるようになった日から決まった分担だ。
「愛那」
「どうかしましたか?」
「今日も一緒にお風呂入ろう」
「わかりました」
これも初めて泊まりに来た日からずっと行っていることだ。
彼女の母親は小さい頃に家を出ていったので、こうして誰かと一緒にお風呂に入ったりする事もあまりなかったらしい。
だから瑠花先輩は、私が泊まりに来た時は必ず一緒にお風呂に入るし、寝る時も同じベットで寝る。
その後、皿を片付けた私たちは、お互いに着替えを持ってお風呂場へと向かう。
「愛那。相変わらず肌綺麗。それに大きい」
「そうですか?普通だと思いますが。それに、瑠花先輩の肌も柔らかいし綺麗ですよ」
「…ありがとう」
瑠花先輩は少しだけ頬を赤く染め、恥ずかしそうに呟いた。
その姿がとても可愛らしくて抱きしめてあげたくなるが、あまり子供扱いすると拗ねてしまうので我慢する。
「先輩、髪と体を洗ってあげますね」
「うん」
「先輩の髪はサラサラでいいですね」
「愛那は私の髪好き?」
「好きですよ。でも髪だけじゃなくて、先輩の全部が好きです」
「ふふふ。私も愛那の全部が好き。両思いだね」
「ですね」
その後、髪を洗い終えて体も洗ってあげると、今度は瑠花先輩が私の髪と体を洗ってくれた。
お互い洗い終えると、今度は二人で浴槽に入る。
「先輩はほんとにそこが好きですね」
「うん。愛那に後ろから抱きしめられるの好き」
瑠花先輩は現在、私の足の間に座って体を私の方に預けており、私が彼女を後ろから抱きしめる体勢になっている。
あまりにも可愛い先輩に我慢できなかった私は、彼女の濡れた首筋に優しくキスをする。
「ふふ。愛那もいつもそこにキスしてくれる」
「先輩が可愛いからです」
その後、お互いのぼせない程度にお風呂に浸かったあと、お風呂から上がって瑠花先輩の部屋へと向かった。
部屋に入り時間を確認すると、すでに22時30分となっており、そろそろ寝ないといけない時間になっていた。
「先輩、明日も学校ですし寝ましょうか」
「うん」
瑠花先輩がベットに入ったのを確認すると、私も明かりを消してベットに横になる。
すると、すぐに瑠花先輩は私の方に体を向けてギュッと抱きしめてきた。
「愛那。いい匂いする」
先輩はそう言うと、私の胸に顔をする寄せてくる。それがまるで猫のマーキングのようで、少しだけ胸がキュンとした。
「愛那」
「はい」
名前を呼ばれたので返事をしてみたが彼女からの返答はなく、代わりに彼女の顔が少しずつ近づいてきた。
そして、そのまま私の唇に彼女の唇が触れると、瑠花先輩はそのまま私に覆い被さるような体勢になり、ゆっくりと唇を離した。
「先輩、前に次来た時はしないって言いませんでしたっけ?」
「言った。でも無理。我慢できない」
「明日も学校ありますよ?」
「一日くらい休んでも大丈夫」
「大丈夫じゃないので我慢し…んぐっ」
我慢してくださいと言おうとしたが、途中で瑠花先輩にキスで唇を塞がれてしまい言い切ることができなかった。
さらに瑠花先輩はそこで止めることはせず、私の口の中に舌を捩じ込んできた。
「んっ…」
瑠花先輩の舌と私の舌が絡み合うたびに脳に水音が響き、私も我慢できなくなって自分から舌を動かす。
そうして時間をかけてキスをしたあと、瑠花先輩は私から唇を離し、見下ろしながら私の頬に手を当ててにんまりと笑う。
「ふふ。可愛い。愛那も準備できたみたい」
「先輩、早くお願いします」
「うん」
私がお願いすると、瑠花先輩は私の服を上にずらして脱がせようとしてくる。
私もそれに合わせて腕を上げ、彼女が脱がせやすいようにすると、あっという間に上半身が露わになった。
「やっぱり愛那の肌綺麗。それにすべすべ」
瑠花先輩はそう言うと、私のお腹から胸にかけて指をゆっくりと這わせてくる。
私はくすぐったさと少しの気持ちよさから声が出そうになるが、腕を口に当てて声を我慢する。
彼女はそんな私の反応を楽しむかのように、今度は耳元に口を寄せて耳を甘噛みしたり舐めたりしてきた。
キスで舌を絡めあった時よりもさらに水音が脳に響き、私の頭の中を甘く溶かしていく。
「愛那。もう触っていいよね」
「は…い」
私が何とか返事をすると、瑠花先輩はショーツの中に手を入れて指で軽く撫でる。
「あっ…んっ!」
「もう濡れてる。期待してた?」
「そんな、こと…んんっ!」
瑠花先輩は私の中に指を入れると、私の弱いところを的確に攻めてきて、私は呆気なくイカされてしまった。
「ふふ。愛那の体はいつも素直。そこも可愛くて好き」
その後も耳や胸、そして下部の弱いところを攻められ、瑠花先輩が満足するまで何度もイカされて続けるのであった。
翌朝。私は寝不足による気怠さを感じながら目を覚ます。
「んん…」
昨日は結局朝方まで瑠花先輩がやめてくれず、寝れたのは数時間ほど前のことだった。
いつもなら泊まりに来るのは休日なので、朝方までやったとしてもお昼まで寝られるから良いのだが、今日は学校に行かなければならないため怠いのを我慢して体を起こそうとする。
しかし、瑠花先輩が私を抱きしめながら寝ているため、まずは彼女を先に起こさなければならない。
「先輩、起きてください」
「…むりぃ。柔らかい…」
瑠花先輩はまだ寝ぼけているのか、私の胸に顔を埋めて起きようとしない。
私は現在下着すらつけていないため、彼女の髪があたり擽ったかったが、変な声が出ないように我慢してまた声をかける。
「起きてください。学校に遅刻しますよ」
「別にいい。なんなら一緒に休もう」
「だめです。起きないともう泊まりに来ませんよ」
「むぅ。…わかった。起きる」
瑠花先輩は眠そうに目を擦りながら上体を起こすと、私に軽くキスをする。
「準備しないと…」
「その前にお風呂に行きましょう。お互いちょっと匂いがあれなので…」
「わかった」
学校に行く前に二人で軽くシャワーを浴びたあと、瑠花先輩の髪を乾かしながら彼女に朝食を食べさせる。
「美味しいですか?」
「うん。すごく美味しい」
「よかったです」
髪を乾かし終わると、次は瑠花先輩が私の髪を乾かしてくれたので、私もその間に朝食を食べていく。
その後、お互い制服に着替えたり必要なものをカバンに入れ、忘れ物がないことを確認すると学校に行くために家を出た。
学校に向かう途中、私と瑠花先輩は腕を組んで歩いていた。
「あ、そうだ先輩」
「ん?」
「冷蔵庫に日持ちするものを作って置いておいたので、よかったら食べてくださいね」
「いつもありがと。ありがたくいただく」
瑠花先輩はほとんど料理をしないため、放っておくとコンビニなどでご飯を済ませてしまうから心配だ。
そうして学校まで歩いている途中、瑠花先輩がなぜか急に立ち止まってしまった。
「どうしました?」
「愛那。あれ」
「ん?」
私は瑠花先輩に言われるまま、彼女が指を刺した方に目をやる。
すると、そこには何故か愛華が立っており、怒りのこもった瞳で私たちの方を見ていた。
「愛華?どうしてここにいるの?」
私の家と瑠花先輩の家は離れているため、通常であれば彼女がここにいるはずがない。
それに、愛華は瑠花先輩の家を知らないはずなので、この通学路を知っているはずもないのだ。
「…愛那。なんで昨日帰って来なかったの」
「何でって、先輩の家に泊まったからだけど…」
「私は何も聞いてないんだけど」
「そもそも言ってないからね。お母さんたちから聞かなかったの?」
「二人は何も教えてくれなかったよ。それより、これまで平日に泊まりに行くことなんてなかったよね。なんで急に…」
「愛華には関係なくない?なんでそんなこと気にするわけ?」
「っ…!それは…。はぁ、もういい」
愛華はそう言うと、一人で学校の方へと向かっていった。
私は今行くと愛華と一緒に行くことになりそうなので、少しだけその場に留まる。
瑠花先輩も私の気持ちを分かってくれたのか、何も言わずに待っていてくれた。
「愛那。大丈夫?」
「はい。いつものことなので大丈夫です。それよりそろそろ私たちも行きましょう」
そう、いつものことだ。私が初めて泊まりに行った日も、家に帰ってから珍しく愛華が出迎えてくれたかと思うと、今みたいに何故か怒られたのだ。
自分には好きな人がいるくせに、私から自分で距離を置こうとしたくせに、今更になってあんなに気にされても正直意味がわからない。
(まぁ、私が気にしても仕方ないよね。私は振られたわけだし…)
そうして気持ちを切り替えた私は、瑠花先輩と二人で学校へと向かうのであった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
よければこちらの作品もよろしくお願いします。
『距離感がバグってる同居人はときどき訛る。』
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