第38話 想定外

case 1


「結界の修復ってこんな早かったっけ?」

「いや、1年半修行してからあちこちの結界修復するはず」

「早いから一箇所だけなのかな」

「そうちゃう?」

「アーリンが超絶優秀ってこと?」

「そうだろうね」

「なんか色々バグってんのかな」

「最大のバグはうちらだと思うけど」

「それな」




case 2


出立前──

寂しくなったら読んでね、と渡された愛しい人からの手紙。


『早すぎるだろ』(アルフレッド記録2日)

『8日目とみた』(ノクト記録8日)

『大丈夫』(ハルバード記録12日)

『やっぱり』(カーティス記録無し/その場で開封)






case 3


結界を修復し倒れてしまった聖女を抱きしめる男。

そこに水しぶきを上げながら走りよる総騎士団長ステファン。


「お前、名前は?」

「ジャ、ジャン・ウィーズリーです」

「よしわかった!しばらく謹慎!」

「は?」


ジャンの腕から聖女を奪い取り


「グランデ砦に帰還する!」

「え?恋人だったの?いや、俺は聖女の魔力に充てられて不埒なことする奴かと思ってよ。悪い、悪い」


ガッハッハッと笑う総騎士団長に公開処刑されたジャン。バシバシ叩かれた背中が痛い。



case 4


Q.任務完了の報せを婚約者が早馬より先に報せてきた。その時、婚約者にかける言葉の最適解を述べよ。


イザベル「いかんでしょ」

ヴィオレッタ「馬鹿なのかな?」

エリーゼ「ちょっと意味がわからない」

オリビア「・・・(両手を広げて走ってくるヤツにエルボーをかます)」


A.駆け寄り抱擁し「会いたかった、寂しかった、愛してる」等の愛の言葉を囁きながら熱い口付けを交わす。


オリビア惜しかったね。




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