第18話 広場の攻防
ミスル広場噴水前ベンチにイザベル達は座っていた。クレープは完売で、四人は何をするでもなくぼんやり座っていた。
目の前をたくさんの人が行き交っている。
目につくのは恋人と思わしき男女ばかり。
「リア充爆発しろ」
「ほんとに爆発したらどうする?」
「阿鼻叫喚」
「変なこと言ってごめんって謝る」
噴水の水音がうるさく感じる。
先程から、二三言交わしては誰ともなく黙る。
空はこれでもかと晴れ渡っており、風は今はない。
「楽しかったね」
「うん」
「忘れられた?」
「ままならないもんだね」
「辛いだけの恋はしたくないなぁー」
「恋人つなぎとか羨ましくて泣けるね」
「ね、先がわからないから今が楽しいんだろうね」
「いつか、誰か私と手をつないでくれる日がくるかなぁ」
「私がいつでもつないでやんよ」
「オンちゃんおっとこまえー」
「レッタン、お菓子どこで買うか決めた?」
「んー、あのさ薄いシート状になったキャンディ知らない?」
「えー、知らないなぁ。美味しいの?」
「うん。綺麗な箱に入っててさ、黄色とかピンクとかのキャンディが入ってるの。美味しいからちょっとずつ食べてたんだけど、こないだもう無くなっちゃって」
「では、僕がご案内しましょうか?」
逆光で顔が見えない。
でも、この声は知ってる。
思わず見上げた顔は、笑っていた。
「はははっ、そんな顔もできるのですね。ヴィオ」
「エリー、僕がいつでもつないであげるよ」
「ベルは何を忘れたいのかな?」
「リビィ、リア充って何だ?」
婚約者があらわれた!!
ガンガンいこうぜ
いのちだいじに
めいれいさせろ
→ にげる
「「「「 ご、ごきげんよう 」」」」
しかし回り込まれてしまった。
逃げられない!
婚約者があらわれた!
ガンガンいこうぜ
→いのちだいじに
めいれいさせろ
にげる
「さ、作戦会議を要求します!」
「ベル、却下だよ」
「4人だけの話し合いを要求します!」
「ヴィオ、それは作戦会議というのでは?」
「きゅ、休憩したいです!」
「エリー?今までずっとここで座ってたよね?」
「あーーーっっっ!!」
「え?」
オリビアが空を指差し叫ぶ。
その瞬間脱兎の如く逃げ出
「お嬢様、いけませんよ」
せなかった。
「トーマス!!こんの裏切りもんがぁぁああああぁぁ!!!」
「オリビアお嬢様、そんな子供だまし引っかかるのはカーティス様だけです」
おい、カーティス馬鹿にされてんぞ。
アルフレッドがニッコリ笑って口を開く。
「今日一日見てました」
「「「「 ストーカー!? 」」」」
「ストーカーが何かはわかりませんが、見守りです」
「ストーカーじゃん」
「あなた達がとんでもなく口が悪いのも、何か隠してるのももう知ってます」
「・・・っ!!」
「さぁ、ゆっくり話が出来る所に行きましょう」
「なんかエロい言葉に聞こえるね」
「オンちゃん、空気よんで」
圧迫面接開始です☆
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