第13話 令嬢らしく
※今回会話劇でお送りします。
誰が何を言ってるかはご想像にお任せします。
女の子の話はコロコロ変わるのよ・・・
「通常ミーティングを開催する」
「「「 イェッサー! 」」」
「スパイがいます!」
「「「 なん・・・だと・・・ 」」」
「私が黒騎士団の鍛錬場に通ってるのが愛騎士にバレた」
「いや、それ普通に使用人に聞いたんじゃね?」
「・・・あんの、裏切りもんたちがあぁぁあああ!!!!!」
「オンちゃん、落ち着け」
「あと、リビィって呼ばれる事になった」
「オンちゃんも?!私も、ベルって呼ばれるようになった」
「私も、ヴィオって」
「エリーって呼ばれる」
「一体何が起こってるの・・・」
「こないださ、サーちゃん達に聞いたんやけど」
「あー、あの平民の?」
「うん。男は逃げると追いたくなるって」
「は?・・・うちら・・・うん、あー逃げてたね。表面だけ取り繕って線引きしてたね」
「それが、奴らの興味引いたってこと?うわー、もう詰んだじゃん」
「断罪待ったナシかよー」
「学園入学まであと1年でしょ?5年塩対応してりゃ向こうから解消言い出すかと思ったのに完全に見誤ったね」
「てか、あいつらうちらの何がいいわけ?ぜんっぜんわからんよ」
「断罪って何があったっけ?処刑と平民落ちと国外追放だったっけ?」
「あと、お決まりの修道院な」
「とりま、平民落ち目指すしかないか」
「だね、賛成」
「今まで以上に城下行ってコネ作らんといかんね」
「あ、イーちゃん離れ出来た?」
「出来た、出来た。今、家具とか入れてる」
「ナイスー!私もさ、ジャージ出来た!」
「持ってきた?」
「もちろん!ジャージとー、Tシャツ半パンでしょー、ビッグサイズのスウェットとー、これ!絶対イーちゃん好きだと思って!」
「もこもこ!!」
「うさぎにしてみたー、イーちゃん顔キツイのに可愛いの好きやから」
「顔キツイ言うな」
「顔キツくてもイーちゃんは可愛い!美人!好き♡」
「これ、離れに置いてまったりのんびり足だしライフ送ろうぜ」
「「「 いいねー 」」」
「私はこれ!かーわーいーいーしーたーぎー!」
「どこの青たぬきだよ」
「カボチャパンツから卒業する時が来たわよ!!」
「この、ゴム作るの大変だったんだよー。でもさ、さすがゲームの世界っていうの?ご都合主義みたいでゴムの木あったわ」
「綿パンにいちご柄にしてみた」
「ベタすぎ」
「この生地にプリントするのはオンちゃんママの薬草技術が火を吹いたよね」
「あー、こっち刺繍の世界だもんね」
「ママもパパもジャージめっちゃ気に入ってる」
「そりゃそうよー、快適さが違う」
「私はパパに頼んでクーラーみたいな魔道具作ってもらった」
「エリパパやるねー」
「うん、なんか風と氷の魔力混ぜて作るんだって。知らんけど」
「うちら、魔力あんま無いもんね」
「イーちゃん、王子妃教育どう?」
「は?死ぬほど苦痛だけど?」
「ウケる」
「でもさー、さすが悪役令嬢っていうの?体も頭もスペック高くてめっちゃスイスイ頭に入ってくるんだよねー」
「あー、わかるわ。前世あんなに勉強嫌いだったのに、こっちの世界の自分ってなかなか頭いいんだよね」
「ライバル補正ってやつ?」
「てか、聖女に対してライバルも何もないっしょ。立ってるステージが違う」
「あ、聖女に会ったらさこの状況変わるんじゃない?」
「「「 それだ! 」」」
「そうだよ、速攻聖女好きになるじゃん」
「そうそう、だからすぐにほっとかれるって」
「いいねー、じゃこれまで通り猫被っていこう」
「あ、そういや微笑み声変わりしてたわ。無駄にイケボで腹立つったらないわ」
「「「 それな 」」」
「あいつらとにかく顔がいいし、声もイケボなんだよねー」
「好きにならないようにするのに必死よ」
「「「 わかる 」」」
「けど!ここが正念場!好きになったら終わり!」
「おう!どんだけ顔が良くてもイケボでも結局は浮気者!」
「惨めな姿晒したくない!」
「「「「 絶対に 」」」」
「微笑みなんか」
「氷結なんか」
「魅惑なんか」
「愛騎士なんか」
「「「「 好きにならない!!! 」」」」
彼女達は知らなかった。
たった今自分で盛大なフラグをたてたことを。
そしてそのフラグが近々回収されることを。
彼女達は知る由もなかったのだ。
あと、名前で呼んでやれ。
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