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突然やってきた泥棒たちと、ランタンの強い光におどろいて、うずくまりはしばらくぶるぶるふるえました。

けれども、泥棒たちがどんどん穴をほり進めて地面にもぐっていき、穴からもれてくるランタンの光が弱くなるにつれて、うずくまりはだんだん心細くなってきました。あの光がなくなってしまったら、部屋はまた真っ暗闇になってしまいます。

そう思うと、うずくまりはまた、ぶるぶるとふるえだしました。今までずっと暗闇にいたくせに、どうしたわけか、明るい光を見ているうちに暗闇がこわくなってしまったのです。いや、暗闇が怖くなったというよりは、明かりから離れたくなくなったという方が正しいのかもしれません。

うずくまりは、ふるえながら、穴からもれる弱い光をじっとみつめ続けました。

泥棒たちは、熱心に穴をほり進めているらしく、ある日ついに光はとぎれ、部屋はまた真っ暗闇になりました。うずくまりは、ぎゅっと目をとじてひざをかかえました。

ランタンの明るい光を思い浮かべました。キラキラとかがやくあの光に照らされたいと思いました。どんなに心地がいいだろうかと想像しました。 


しばらくして、うずくまりが目をあけると、部屋にはうっすらと光がさしこんでいました。

泥棒たちが扉にあけた穴からでした。

街灯の明かりが、小さな穴からさしこんで正面のかべ全体をぼんやりと白く照らしだしていたのです。

うずくまりは、救われたような気もちで、照らされたかべをみつめました。

ところがほっとしたのもつかの間、うずくまりがじっとかべを見ていると、ぼんやりとした光の中を、時おり薄い影がすっと通りすぎていくことがありました。うずくまりは、そのたびにびくびくしました。自分だって真っ黒な影のくせにおかしな話です。


そんなある日のことでした。かべを照らす暗い光の中に、たくさんの泡のようなつぶつぶがあらわれました。湧き出すように、あとからあとからあらわれて、上へ上へとのぼっていきます。うずくまりはひざを抱えて、正体不明のつぶつぶがいなくなるのをじっと待ちました。けれども、つぶつぶは増え続け、勢いを増すばかりです。

うずくまりは、こわくてこわくていてもたってもいられなくなりました。たまらずついに、ぬっとのびるみたいに立ち上がると、ふわりするりと、泥棒たちのいる穴の中へとびこみました。

するすると必死に暗い穴を進んで行くと、奥にランタンの明かりが見えてきました。うずくまりは、明かりと暗闇の境目にたどりつき、ようやくほっとして、その場にすっとうずくまりました。本当は、そのままランタンの明かりの中に飛び込んでいきたかったのですが、泥棒たちに見つかるのも怖かったので、ギリギリのところで立ち止まったのです。


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