第75話 お爺ちゃん、二回目の大規模戦闘に参加する。その2
「皆さん改めて今晩は、フリージアカンパニーの彼方です。以前から告知していたウォーモンガーカンパニーさんからのお誘いで地上戦闘タイプの大規模戦に参加しています」
ウォーモンガーカンパニーからのお誘いで12人限定地上戦闘の大規模戦に参加した源三郎達。
他の参加者であるウォーモンガーカンパニーと今北産業カンパニーメンバーとの自己紹介を終えると、彼方は配信を再開する。
「私達は今、ソロモン自由同盟領域にある惑星ランドに来ています。今回の大規模戦闘はあそこにある大型採掘プラントにある3つのエネルギージェネレーターを守りきることです」
彼方は配信用のドローンカメラで採掘プラントを撮りながら今回の大規模戦闘の概要を視聴者に伝える。
「私達は右端のジェネレーターを守ることになりました。ウォーモンガーさんが中央、一緒に戦ってくれる今北産業さんが左端です」
彼方は次に大型採掘プラントの航空写真画像を画面に張り付けて、マーカーで誰がどこを守っているか説明する。
「今回の大規模戦闘のために戦闘用地上車両【ヴァルム】と言う多脚戦車を用意しました! パイロットはノエルちゃんです!」
「頑張ります!」
彼方の合図と共にカメラフレームにインしたなは六脚昆虫型戦車の【ヴァルム】、昆虫の頭部に当たる部分にコクピットがあり、ノエルが顔を出して、カメラに向かって手を振る。
「武装は機関砲が二門、対地空ミサイルポッド二門、無反動砲が一門です」
「脚にはダッシュローラーがついていて機動力も悪くないよ」
彼方が武装を紹介すると、ノエルが何処にその武装が搭載されているが操作して見せて、最後にダッシュローラーによる高速機動を披露する。
「皆さん、そろそろ開始時間です! 戦闘準備お願いします!!」
今回の大規模戦闘用に開設されたチャットルームからウォーモンガーカンパニーのアドンの叫び声が聞こえてくる。
「もうすぐ大規模戦闘が始まるようなので、戦闘に集中してコメントに反応できなくなるかもしれませんが、ご了承ください」
「スパチャありがとうございます。精一杯頑張ります!」
「皆さま応援の程宜しくお願い致します」
「さて、始めるかのう」
源三郎達が視聴者に向けて挨拶を終えると大規模戦闘が始まるカウントダウンが始まり、カウントダウンが0になるとウェーブ1と視界に表示されて、基地に向かって惑星ランドの現地生物の大群が襲いかかってくる。
「ウォーモンガーカンパニー、カウントダウン後に迫撃砲撃ちますので前にでないでください!!」
大規模戦闘用のチャットルームからアドンが迫撃砲による範囲攻撃を行う告知をしてカウントダウンを開始する。
「0! 発射!!」
ウォーモンガーカンパニーが事前に設置していた複数の迫撃砲から榴弾が発射されて放物線を描き、着弾地点で爆発が起きる。
「次弾装填中! 地雷ラインを越えた敵を攻撃してください!!」
榴弾を生き延びたエネミー達が採掘プラントに殺到してくるが、次に仕掛けられた地雷エリアに足を踏み入れると、次々と地雷を起爆させてエネミーが吹き飛んでいく。
「ノエルちゃん、出番だよ」
「オッケー!」
彼方の合図と共に多脚戦車【ヴァルム】の背中に搭載された対地空ミサイルポッドが起動し、次々とミサイルを発射していく。
ウォーモンガーカンパニーや今北産業カンパニーも遠距離攻撃をもつプレイヤーや、設置型兵器で地雷エリアを突破したエネミーを迎撃していく。
「地下から巨大生物反応! 場所はすぐ近くです!!」
上空を旋回するレーダードローンからの信号を受け取った鈴鹿が叫ぶと同時に、地面から蟻地獄風の巨大生物が姿を現す。
「キシャアアアアー!!」
「皆迎撃!!」
「はい!」
「オッケー!」
「うむ!!」
巨大蟻地獄は地面から姿を現すと、エネルギージェネレーターを確認すると雄叫びを上げて、地面から触手を生やし、エネルギージェネレーターを攻撃しようとする。
彼方はアサトライフルで、鈴鹿はアサルトライフルと展開していた攻撃ドローンを、ノエルはヴァルムに搭載された機関砲を掃射する。
「キィィエエエエッ!!」
源三郎はガンブレードを射撃モードにして襲いかかってくる触手を撃ち落としながら、巨大蟻地獄本体に向かっていき、ソードモードで本体に斬りかかりる。
「ギイイイイ!!」
「なんのっ!!」
源三郎は巨大蟻地獄の腹部部分に飛び付き、何度もガンブレードを突き刺してダメージを与える。
巨大蟻地獄は海老反りになったかと思うと、自分の体を地面に叩きつけて、源三郎を押し潰そうとするが、その前に源三郎は飛び退いて難を逃れる。
「彼方のお爺さん、離れて!」
「あいよっ!」
ノエルが叫び、源三郎が巨大蟻地獄から離れたのを確認すると、背中に搭載された無反動砲で巨大蟻地獄を攻撃する。
「ギァアアアア!!」
「む? あの腹部のコアみたいな部分、弱点じゃないかの?」
「っぽいね! 皆あのコアを集中攻撃してっ!!」
無反動砲の直撃を受けた巨大蟻地獄は悲鳴を上げて仰向けに倒れると、腹部の殻がぱっくりと開き、心臓みたいに鼓動する赤いコアのような物が現れ、彼方が集中攻撃を指示する。
「やはり弱点のようじゃな! ここを攻撃すると、クリティカル扱いじゃ!!」
「敵が起き上がるまでに沢山ダメージをあたえてっ!!」
源三郎達が巨大蟻地獄のコア部分を攻撃すると、クリティカル攻撃扱いで大ダメージを与えたエフェクトが発生し、ここぞとばかりに集中砲火する。
「ギィエエエエアアッ!!」
「ぬう………倒しきれんかったかっ!!」
ある程度ダメージを与えると、巨大蟻地獄が意識を取り戻したように起き上がり、コアを殻で隠す。
「あっ! 地面に潜って逃げていくよっ!!」
「違います! 地中をいどうして………ノエルさん、その場所から離れてっ!!」
「え? キャアアアアッ!?」
巨大蟻地獄は体を揺らすと地面に潜って姿を消す。
彼方は逃げたと思い込んだが、レーダードローンで巨大蟻地獄の行方を追っていた鈴鹿がノエルに向かって叫ぶが一足遅く、ノエルが操作するヴァルムの足元から巨大蟻地獄が地面を割って飛び出し、ヴァルムを上空へ突き飛ばす。
「ノエルちゃん!?」
「大丈夫、まだ戦える! お返しだーっ!!」
巨大蟻地獄に突き上げられて弧を描いて地面に叩きつけられたヴァルム。
だがすぐに起き上がって体勢を整えると、機関砲で巨大蟻地獄を攻撃する。
「また潜った!?」
「すずちん!」
「追跡中です………彼方のお爺さんの足元です!」
「ぬおおおっ!?」
ヴァルムの機関砲を受けた巨大蟻地獄はまた体を震わせると地面に潜り込み、今度は源三郎の足元から地面を突き破って姿を現し、源三郎を突き飛ばす。
「お爺ちゃん!?」
「新しい防具のおかげでダメージは軽微じゃ! それよりも迎撃をっ!!」
巨大蟻地獄の突き上げで放物線を描いて空に吹き飛ばされる源三郎。
途中で体を捻って五点着地で綺麗な着地を見せると、またガンモードで巨大蟻地獄を攻撃する。
「む? 今度は体をのばっ───」
また地面に潜られる前に少しでもダメージを与えようと攻撃をし続ける源三郎達。
巨大蟻地獄が更に体を地面から出して体を伸ばしたかと思うと、体を鞭のようにしならせて、360度回転して範囲攻撃を行い、ソードモードで近接攻撃を仕掛けていた源三郎がまともに攻撃を食らって吹き飛ぶ。
「お爺ちゃん、一旦下がって!」
「このっ!!」
「メディックドローン向かわせます!」
彼方とノエルが弾幕を張って応戦し、鈴鹿がメディックドローンと言う回復能力をもつドローンを呼び出して源三郎の治療に入る。
「うーむ、流石にたまげたわい」
「初めてのエネミーですからね」
治療を受けて戦線に戻った源三郎は先ほどの攻撃を警戒してガンモードで攻撃に加わる。
「また体を伸ばし始めたっ!」
「離れろっ!!」
離れて攻撃を続けていると、また巨大蟻地獄が体を伸ばし範囲攻撃を行う予兆を見せ、体を振り回す。
「チャンス到来!」
だが、予兆をみてから離れていた源三郎達には離れており、巨大蟻地獄の範囲攻撃は空振りに終わる。
大技を使って隙ができた巨大蟻地獄に向かってヴァルムに搭載された無反動砲で攻撃を行うノエル。
「またコアが露出したぞ!」
「総攻撃だよ!!」
無反動砲のダメージでまた巨大蟻地獄は気絶したのか、殻が開いてコアがむき出しになる。
「ギイシャアアアアーッ!!」
源三郎達は次こそはと総攻撃を行い、遂に止めを刺すとウェーブ1が終了したアナウンスが流れた。
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