ゼンカアクカ短編集

太陽系型性格診断

宇宙人の間で「性格診断」が大流行している。

その「性格診断」は主に四つのタイプに分かれており、わかりやすくそれぞれに名前が付いていた。

一つ目は『火星人タイプ』

このタイプは非常に勤勉であり自身を「働きアリ」だと信じて疑わない性格をしている。

ただ、頑張りすぎてブラックホールへと身を投げる危険性もあるため、頼りすぎないようにしましょう。

二つ目は『レプタイル星人タイプ』

このタイプは俗に言う「爬虫類系」であり、怠惰で内向的な性格をしている。

根っからの皮肉屋で時々空気を悪くすることもある。しかし、何故か才能に富んでいる星人が多いため、別名「芸術家タイプ」とも呼ばれる。

三つ目は『アンドロイドタイプ』

非常に独創的であり四つのタイプの中で一番割合の少ない珍しい性格。

火星人タイプよりも賢く、レプタイル星人より性格が良いまさに優等生タイプである。

ただ、腹の内が読めないため四つのタイプの中で一番「モテない性格」とも言われている。

四つ目は『地球人タイプ』

何を隠そう筆者の私が「地球人タイプ」だからこの性格の事をよく理解しているはずだが、「地球人タイプ」の特徴は「あまり賢くない」なのでそれほど大きな自信はない。

まあ…とにかく良い所を挙げるとすると「自身が無知だという事に気付けていない所」くらいだろうか。

ただ、散々「地球人タイプ」を悪く言ったあとで申し訳ないがこの性格が宇宙人の中で一番「人気のあるタイプ」だという事を忘れてはいけない。

この「地球人タイプ」と他三つのタイプの明確な違いというのは恐らく「絆」にあると私は思う。

宇宙人達は話のネタにこの性格診断を用いて「絆」というものを求め、そして自分達の間に共通するものを見つけ喜んでいるのだ。

それは彼らが寂しいからであって決して楽しいからでは無い事を私は知っている。

そんなことを書いているうちに「地球人タイプ」の最も素晴らしい点を今思い出したが、ここに書くのはやめておこう。

1987年4月24日 月の裏側にて