第27話 2024年6月、富士原生林トラバース
月初プロフィール(6月):富士原生林トラバース
健康な日本人なら富士山に一度は登ってみたいですね。
私は二度登りました。
中学校が連れて行った時と家族と行った時です。
家族登山では一般の人があまり経験しない(だろう)ことを経験しました。
今日はその経験を語ります。
我々家族は富士スバルライン五合目から登りました。
(河口湖ルート。当時は新五合目と言っていたような気がします)
登りは問題ありませんでしたが下りで問題が生じました。
私は子供達に砂走り(すなばしり)の跳躍下山を体験させたかったので右の道を下りました。
私は富士山をみくびっていたのです。(愚かだった)
砂走りが終わるとそこはもう須走(すばしり)でした。(砂払い五合かもしれません)
私は途方にくれました。
自動車を駐車させてある富士スバルライン五合目ではなかったからです。
駐車場に行くにはもう一度富士山に登るか下って富士山を大きく迂回して富士スバルライン五合目に行くしかありませんでした。
もう一度砂道を登る元気はなかったし富士山を迂回するには時間がありません。
夜になってしまいます。
困っていると山小屋の青年が1万円で富士スバルライン五合目に連れて行ってやろうと言ってきました。
私は天佑と思い提案に乗りました。
青年は200メートル(水平距離)ほど砂道を登ってから右折して森に入って行きました。
森はあたかも原始林のようでした。(通れるのですから正確には原生林かもしれません。・・・実は私は原始林も原生林も見たことがありません。想像です。)
とにかく美しく苔むした岩や好き勝手に伸びた樹木や地面を這い回る根がある薄暗い森でした。
死体が見つからない自殺で有名な青木ヶ原の樹海も同様だろうと思いました。
そんな中を我々4人は青年の後について(ほとんど)道なき道を進みました。
標高差はほとんどなかったので苦しくはありませんでした。
だいぶ進むとやがて山道らしい小道になってきました。
1時間ほど歩くと青年が言いました。
「もう大丈夫です。この道をすすめば新五合目への下山道と合流します。」
そう言って青年は帰って行きました。
我々は少し不安気に道を進みようやく下山者で混み合う五合目駐車場への山道に出会いました。
私は安心の気持ちと同時に何か誇らしげな気持ちになりました。
周囲の下山者とは違う経験をしたからです。
道を知らない一般人には行けないでしょうがこのコースはおすすめです。
自動車で行きやすく登りやすい富士スバルライン五合目から登り、砂走りの跳躍下山を楽しみ、富士山の未開原始林樹海をトラバースして駐車場に戻る。
先ほどインターネットで調べましたがそんなルートは載っておりませんでした。
しかし安心できるガイドを雇えばできるはずです。
我々のように間違って須走口に下りてしまった方も多いのではないでしょうか。
須走五合目から富士スバルライン五合目までの距離はタクシーでは50㎞です。
ガイド料金1万円は適正な値だと思います。
でも無法外国人が多い昨今です。
富士山の樹海は手付かずの方がいいのかもしれません。
これは1990年頃の話ですが砂走りの砂の量が中学生の時(1962年)より減っているように思いました。
今はどうなっているのでしょう。
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