2日目

「うーん」

まっさらな地面と変わらない空どうやらこれは夢ではないみたい

「むにゃうみゃ...」

可愛らしい寝顔...そういえば深くこの娘の事を考えてなかったなまず子供のような見た目だけれど何歳なのかな?まず人間なのかも分からない...まさかこの世にはまだ未知が潜んでいたなんてね。

その時エトワールの頬にスっと涙がつたった

「うぅ...ぐぎゅぅ...」

「うわっだ、大丈夫?」

「うーん...」

どうしたんだろ...怖い夢でも見ていたのかな?



「ふぁぁぁ、よく寝た...」

「あ、エトワールおはよう」

「あーうんおっはよ。」

「そういえばさっき泣いたりもがいたりしてたけど大丈夫?」

「えっと、それは...」

少しの間沈黙が流れる

「出来れば話して欲しいなーなんて話すことで心が軽くなるとかよく言うしね」

「うーん、わっ分かった...実はね」

「じ、実は昔チキュウの人が来たの」

「チキュウの人?」

「うん、星を観察するってその人エトワールを見るなり驚いて5度見ぐらいしてたなー」

チキュウの人ってもしかして地球の人ってことだろうか?

「その人とエトワールは結構一緒に暮らしたの、でもある日その人はこの星に価値はなかったって言って何故かカモミールの種を残して出ていっちゃった」

「と、突然だし...何でカモミール?」

「その人はねこの花のように清く生きていてくれって」

「エトワールちゃんの事を思ってたんだねーじゃあなんで出ていったんだろう?」

「確かに...でもその人は科学者でエトワールなんかに興味はなかったのかも、欲しかったのは結果だけ...でもエトワールはその人が大好きだったな」

「なんで?裏切られたのに?」

「エトワールはね、嫌いにはならないよ、でも寂しいって思うの」

「寂しい?」

「あの人は数字や結果ばかりを気にしてエトワールの事とかはあまり気にしなかったのかもしれないけど、あの人はエトワールを暖かい目で見てくれたし、最後にはお花をくれた...だからどっか行っちゃっても嫌いになれないのかも」

エトワールの言うその人はなんて不器用なんだろう、もしかして別れは科学者故の宿命だったのかな?

「あっそうだソフィーこっち来て!」

「えっと、分かったけど何?」

ここは?...昨日きた考える場所?

「ジャジャーンこれ」

「これは...人の顔の絵?」

「そう、あの人の顔思い出しながらだから完全に似てるわけじゃないけどね」

「ふーん...」

可哀想、ただこの娘は自分の哀れさに気づいていない。

あぁこの娘に何か、こんな無名の画家でも出来ることは...

「ねぇ、私にもあの人の似顔絵を描かせて貰えないかな?」

「え?あ、うん!勿論描いてよ!」

「そんなに上手い訳じゃないけど...」

「エトワール楽しみ〜!」

期待しないでくれー...




「よし描けたよー」

「え!ほんとほんと?」

「じゃーん」

「お...おー」

「ど、どうかな?エトワールちゃんの絵を見ながら想像したんだけど」

「うま...くは確かにないね!どちらかというと上手くは無いって感じがする!」

う...悲しい

「でもでも!エトワール変に綺麗すぎるのよりこういう方が好きだよ、なんというか未完成な作品というか...とにかくソフィーが描いたんだって思えるから好き!」

この娘...いい子だなぁ...

「ありがとう、嬉しいよ」

「えっへへ大事にするね。」

その微笑みは私の醜さを全て飲み込んでしまいそうだった

「さーてとやることないしごはん食べてまた寝よっかな」

「さっき寝たばっかりな気もしてるけど...まぁいいか」

そして私達は木の実を食べ眠りについた

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