第7話 『破滅の魔女の物語』

『 むかしむかし、ある国にエリーナと言うそれはそれは美しい一人の魔法使いがおりました。


 その魔法使いには結婚を約束した王子様がおりました。

 王子様は将来の次期国王となる予定で勇敢で頭も良く心優しい王子様でした。

 王子様と魔法使いはとても愛し合っていました。


 ある時、その国は隣の国と戦争する事となりました。

 勇敢な王子様は軍を率いて隣の国と戦いました。

 しかし、その戦争で王子様は死んでしまいました。


 結婚を約束した王子様が死んでしまい魔法使いはとても悲しみました。


 ところが国は次の王様に誰がなるのかを争ってばかりでした。


 それから魔法使いは変わりました。笑わなくなりました。国を恨む様になりました。そして呟きました。


「滅んでしまえ……」


 王様には死んでしまった勇敢な王子様の他に四人の王子様がいました。


 その四人の中から次の王様を決めなければなりません。

 四人の王子様は話し合いをして次の王様は魔法使いに選ばれた者がなれると言う事にしました。


 変わってしまった魔法使いには誰も気付かず、四人の王子様はそれぞれ魔法使いに結婚を求めました。

 しかし魔法使いはその四人の王子様から誰も選びませんでした。

 何故なら、その四人の王子様は誰も死んだ王子様の事を悲しんでいなかったからです。


 死んだ王子様の事を誰も悲しんでくれず次の王様に誰がなるかを争ってばかりの国に対して魔法使いはとうとう怒ってしい、魔女となってました。


 憎い、憎い、この国が憎い……


 滅べ、滅べ、全て滅んでしまえ……


 そしてとうとう魔女は怒りのあまりにその国を滅ぼしてしまいました。

 それでも怒りが収まらない魔女は戦争をした相手の国まで滅ぼしてしまいました。


 二つの国を滅ぼした魔女はみんなに恐れられ『破滅の魔女エリーナ』と呼ばれるようになりました。


 しかし、それから破滅の魔女は姿を消し、その姿を見た人はその後、誰もいませんでした。


 今でもその魔女は全てを憎み、この世の破滅を望んでいると言う……


 おしまい』


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