第5話 チョコっと事件

─────────バレンタインデー当日


「今日帰りカラオケ寄ってかない?」


「いいねぇ行こ行こ!」


「あっごめん私用事あるからみんなで行ってきて」


「分かったー次は絶対だよ!」


「じゃあ先帰るね。バイバイ!」


「バイバーイ!」




「......行ったか」


「行ったね。そして言ったね」


「用事がある.....か」


「今日はバレンタイン」


「甘い匂いがするね」


「行こうこの3人で」


「甘くて美味しいチョコ現場に!」


美絵さんの友達、知ってたのか。


まああの感じだとチョコ渡しに行きますよ。と言わんばかりの行動だからな。


さあついて行きましょうかね。

チョコ現場とやらに。


──────────校舎裏


「早く来ないかな?玲太くん」


宮崎玲太(みやざきれいた)くん。

俺も今日下駄箱で名前を知った。美絵さんがチョコをあげようとしている大人しめの男子。



「あれ?遅いな、なんでだろ?」


「なんか美絵困ってる?」


「ねえ!友達に聞いたらその宮崎くん?って子さっき帰ったって」


「「え?!」」


マジか忘れてしまってたのか?


・・・・紙ないか紙.....



数十分前.......


「あっそういえば放課後校舎裏って.......」


「なんで僕が呼ばれるんだろう?お金じゃないって言ってたし.....まさか告白!?・・・なんて無いよね僕だし」


「はっ!罰ゲームだ!そうだ!そうに違いない」


「じゃあ迷惑かけないためにも忘れたことにして大人しく帰ろう」


で、今に至る


「来ない.....か」


「私じゃダメだったって事か」


「しょうがない帰ろう」

そう言い、俯きながら歩き出した。




「うん?何この紙?」


「住所?誰の」


裏を見たらそこには・・



「宮崎....玲太」


「私じゃ...無理だよ」


「美絵!!そこで諦めるの!?」


「みんな...」


「ここまで頑張ってきたんでしょ?!なら行かなきゃ!」


「でも.....」


「美絵。」


「果穂!」


「私はどうしたらいいかな.....?」


「そのチョコを家まで渡しに行くも行かないも美絵しだい、それは美絵が決めること。私達が口出しすることじゃない.....」


「でもね、美絵の頑張りを無駄にはして欲しくないな」


「果穂...」


「想いだけでも伝えに行かない?」



「....分かった。私、行ってくるよ」


「うん。行ってらっしゃい♪」


住所教えたのは俺だけど、最後には友達の後押しがあっての行動。

友情もいいもんだ。


これからも俺なしでいけるな!

...まあこの調子だと元々俺がいなくても成功してと思う。

相手の玲太くんも満更でもなさそうだし。


─────────宮崎家 玄関前


「よし!」



ピンポーン!


「はーい!どちら様で?」


「あの!宮崎玲太くんいますか?」


「あー!玲太のお友達ね!」


「いっ、いや....」


「ちょっと待っててね!今呼んでくるからー!」


ガチャン


「あっ....行っちゃった」


「それよりどうしよう!勢いで来ちゃったから、今になって緊張してきた.....頭真っ白」


「どうしよ...」


「お待たせ!玲太!はい!」


「え!ちょっと待って!」


ガチャン。カチャ


「え?鍵まで閉めるの?」


「んふふ。あはははははははは!」


「鍵まで閉めるお母さんもお母さんだけど、玲太くんの反応も反応だよ!」


「えっ!名前...」


「あはははははははは!!」


「ふぅーう面白かった!さっきまで頭真っ白だったけど全部どうでも良くなったよ!」



「で、なんで木ノ下さんが僕を?」


「はい!これ」


「なんですか?この袋。かなりオシャレな袋ですけど」


「あげる。中にチョコが入ってるの」


「えっあっあ、ありがとうございます」


「もちろん本命だよ」


「え!?・・・・・・え?」


「私の恋人になってくれませんか?」


「え?」


「なってくれないの?」


「あっはい。僕でよければ」


「ほんとに!?」


「まだ色々と状況が掴めてませんが、前から気になっていたので.......素敵でしたし」


「照れることしれっと言わないで…///」


「すっ、すみません」


「じゃあ後でチョコの感想聞かせてね?」


「はい。分かりました」


「じゃあ用事も無事終わったし!私帰るね」


「はい!お気をつけて」


「これからよろしくね!玲太くん」


「はい!こちらこそよろしくお願いします!みっ...美絵さん」


良かった良かった!無事結ばれて。

初回にしてはいい手助けが出来たんじゃないかな。よーし!この調子でもっと見届けるぞー!


キランキラン!キラン!ガシャン!


えっ?なに?なになになに?


体全体に謎の気体が漂い始めキラキラ光り始めた。


キュウーン。


収まった...のか?

体に違和感は無いし至っていつも通りだけど。なんだったんだ?今の。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あとがきです。


どうも、まどうふと申します。


少しでも面白いな、可愛いな。とか先が気になる等思ってくれたら嬉しいです!

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