第24話 見たくなかった景色
「無事で良かった〜!」
「よかった!わたし、みんながぶじでありますようにって、ねがった!」
「そうなんだね!ありがとう!」
志乃は花の髪を撫でた。
この光景がなんだか懐かしく思えてきた。
「それで、雪斗くん達は見つかったの?」
「それが見つかりませんでした。名前を呼んだりしたのですが…」
これまでの経緯と志乃の能力について話しているうちに1時間が経っていた。
爆発が止んで、煙も薄くなり、少し先まで見渡せるようになった。
それでも見つからない。
この状況が私には怖くて辛かった。
「嘘ですよね、あれって…」
志乃が指さす方向へと皆が目を向けた。
そこには朱那、星麗奈が倒れていた。
そして雪斗が赤髪の男に髪を引っ張られていた。
「てめぇ!何してんだあ!」
そう叫びながら飛び出した柄木は、とんでもないスピードを出しながらその男へと接近する。
「邪魔すんなよ〜」
「柄木来るな…」
掠れた声。
雪斗はどれだけ苦しい思いをしたんだろ。
ガシッ
「雪斗を離せよ、」
「掴んでんじゃねえよ〜」
ガシッ
「痛え!髪引っ張んなあ!」
「うるせえな〜」
「雪斗だけは離せよ、」
「あ〜、しょ〜がね〜な〜」
離した。
良かった。
「で、お前は俺を何処まで追い詰められるんだろうな〜」
「死ぬまで追い詰めるに決まってる!」
「それなら、期待して待ってるわ〜」
ドカッ
「腹いて〜、やるな〜」
アイツの手から離れられた。
でも、ここからどうする?
「死ね〜」
グハッ…
避けられなかった!?
やばいこのままじゃ…
「僕の柄木に酷いことして…ただで済むと思うなよ…」
雪斗…
あー好きが止まんない、
「どの口が言ってんだ〜」
「その言葉だけでワレが何処まで頑張れるか知らんだろ、」
シュッ
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