第25話 さよならの話
もっと早く。
この1歩よりも早く足を前へ。
「早いな〜、早すぎて目で追えないな〜これは〜」
ガシッ、ドンッ
グハッ…
「痛えが、ここで能力出すとするか〜」
「そいつは火能力だ!逃げろ柄木!」
ドカーンッ
「助かった、ありがとう!」
「僕の能力でギリセーフって所だ。だからもう逃げた方がいい。」
「瞬間移動でも厳しいんだな…」
「そうだ。」
どうすればいいんだ…
どうすれば…
あっ、これならいけるんじゃ…
「雪斗、頼みたいことがある。ワレを…」
「それはダメだ。僕には出来ない。」
「このままじゃ皆を救えない。だからやるんだ。」
お願いだ。
生きるために一か八かやるしかないんだ。
ワレを信じてくれ。
「わかった。その代わり死なないって約束だからな。」
「うん!わかった!」
ワレはグッとポーズをとり、雪斗の笑顔を1つも残さず記憶した。
「よし、私を移動させて!」
「了解した。」
瞬間移動能力でワレはアイツの元へと移動した。
ワレ達がいる場所から見える位置に居たからこそ出来たことだ。
「さよならあ!」
ドンッ…
グハッ
よし、アイツを倒した。
ゲホッ
「血が…」
「俺は病気なんだ〜、だから気にするな〜」
「でも…」
「早く行け〜、ここから出ろ〜」
「出たいけど、開かないんだよ!」
「もう開くぞ〜、俺は
「そうなのか!」
「俺の仲間もきっと来るから早く行け〜」
「じゃあ、先に行かせてもらう。柄木行くぞ。」
「あっ、うん…」
俺は最後にアイツらのために火を…
「やられたのか、やっぱり出来損ないだな、お前は…」
「金のために入ったこの組織だけど、俺にとってはこの組織をいつか無くすという目標ができたんだ〜感謝してるぜ〜、ニヒッ」
「なんだお前…出来損ないがよくもそんなことを…」
「俺の全てを賭けてアイツらを守るんだよ〜、俺が好きなやつを守れなかった分までな〜」
ドカーン
ドカーン
ドカーン
「やっぱり当たらないか〜、でも足止めにはなったか〜、それに火って言うのは時間が経つほど燃えるんだよな〜」
「出来損ないのくせに、」
「さよなら師匠〜」
「まさか…お前死ぬぞ。」
「別にそれくらいいいんだよな〜、ニヒッ」
能力全開だぜ〜
「火が強い。やばい、焼ける。」
「俺が死ぬまで火は出っ放しだ〜、この組織全員焼け死ね〜」
師匠に稽古してもらっていた時間は楽しかったんだよな〜
不思議とあの時は笑顔になれたな〜
あの頃に戻りてぇ〜
「
「最後の最後でかよ〜、ニヒッ」
ボワ〜
その日は燃え上がりたくさんの人々を包んだ。
そして、この場所は崩れ落ちていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます