第20話 朱那

「やっと、見つけ、た…」


そう言って倒れたのは最初に戦った子だった。

そう、ワレの最高のライバルだ。


「大丈夫か!?」


「大丈夫だわ。雪斗司令官からの伝言。アッパーの半数以上が死亡した。能力の引き出しを行ってる場合じゃなくなった。今すぐ、逃げろ。」


「何が起きたんだ??逃げろってどこに??」


「私が案内する。特定能力でね。」


「特定能力??」


「私の能力は場所の特定、距離の特定など、様々な位置を特定できるの。」


「だからあの時、すぐワレの目の前に来たのか!」


「そういうこと。」


「そういえば、アンタの名前まだわからないんだけど。ワレは柄木だ!」


「私は朱那しゅな。後の3人もぼーっとしてないで、ほら行くよ。」


私は何が何だか分からなかった。

色々なことが起こりすぎている。

頭で整理する時間をきちんと与えてくれない。

それでも、元の場所に戻る為に頑張るしかない。

なんだか楽しそうな柄木は凄いよ。

それにしても、進むにつれて倒れている人の数が多い。

それも意識がない人達ばかり。

本当に助かるのかな。


「雪斗!」


そこには雪斗以外に女の子が2人いた。

よく見ると、見たことある顔の子が1人いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る