第16話 気がついた

「ワレを舐めんな!」


シュッ、


あれ?

いない。

何処だ…


「バカかよ。」


ドンッ


「痛い…なぜ後ろに、」


「なぜって僕が能力者だからだよ。弱いと安心させておいて、その後この能力を使おうと思ってたけど、やっぱり使って正解だよ。」


痛みが止まらない。

これは本当にやばいぞ。


「ごめんねー!僕って意外と攻撃得意なんだー!」


「能力ってなんだ??」


「それ聞いちゃう?僕の能力は瞬間移動。」


だからいきなりいなくなったのか。

信じ難いけど、そうしないと状況の説明がつかない。


「能力ってまるでアニメみたいだね、」


「みっちゃん先輩の言う通りです!」


「わたし、アニメすき!」


「ハハッ、みんな意外とすぐ信用するんだね。」


「ワレ達がこんな訳分からないところに連れてこられて、こんなことが起こって、信じる以外の道はない!」


なるほどって顔でこっちを見てくる相手が笑顔になった。


「さあ、戦いの続きを始めようか。」


シュタッ


「美少年の笑顔は罪だあ!」


シュタッ


まぁ、だからといって攻撃しないわけじゃない。

顔面以外にはガッツリ攻撃する。

例え、能力持ちで、その力がどれだけ強くてもワレは死ねない。


シュッ、


また消えた。

でも、ワレは気づいてしまった。

相手の匂いを知ったんだ。

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