第9話 あらら
「あれ??」
私は誰かの顔に似ていると思った。
「こっち見ないでもらえます??」
ワレは背を向けた。
バレたくないから。
「あの、さっき声が聞こえて駆けつけたんですけど、」
「やっぱなんでもないです〜あはは…」
この声とあの顔やっぱり…
「柄木だよね!元気だった??会いたかったよ!」
うわっ、目キラキラさせて何喜んでんだ。
ワレは会いたくなかったぞ。
「人違いです。」
「嘘でしょ〜!」
「ワレ嘘つかない!」
「ワレって言葉使うの柄木しかいないよ!」
あっ…これはもう隠し通せない…
「そうだよ!柄木だよ!」
「よし、みんなに紹介するね!私の従姉妹の柄木!」
「まさか!?従姉妹とここで再開するとは不思議ですね!」
「いとこ!わたしも、いとこいるよ!」
あー。
最悪だ。
でもここは家じゃないからあんな服着させられることもないか。
まぁそれなら何とか耐えられる。
「ワレがいればもう大丈夫だ!安心だ!」
手を広げだ。
あとは皆がワレを抱きしめるだけだ。
「わたし花だよ!ワレちゃんは、げんきだね!わたしもげんきだよ!」
「志乃です!よろしくお願いしますワレちゃん!」
みっちゃんだけが近づいてくる。
来るな来るな来るなぁ!
ギュッ
「よろしくね〜!」
よりにもよってなんでみっちゃんだけが抱きしめる??
なんで??
ワレ嫌われてる?
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