第4話 着物少女花ちゃん

「着物姿の女の子ってことは幽霊…」


「幽霊じゃありません!ほら、手だって触れるし、ほっぺぷにぷにも出来るんですから!」


「じゃあ、人間か!あはは!」


私はバカだな。

後輩に情けない姿を見せてしまって。

本当にバカだ。


「みっちゃん先輩は意外とお化けとかそういうの信じてたんですね!私と一緒だ!」


「意外だった?信じない人の方が最近少ないらしいわよ〜」


そうなんだと驚くような顔を見せた志乃ちゃん。

私が嘘をついたことはバレていないようだ。


「私の名前は志乃!あなたのお名前は?」


「わたしは、花だよ!あのね、わたし、花っていうじだけ、かんじでかけれるよ!」


「そうなんだ!偉いね!」


志乃ちゃん頭撫でてる。

小さい子の面倒見るのが得意なのかな?

想像つかなかった訳では無いけど、なんかいいな、この光景。


「わたし、このおねえさんみたことあるよ!このまえこうえんで、かぎどこってかばんのなかさがしてたところみた!」


「私を見たことあるの??1週間前に公園で鍵探したけど、その時いたの?」


「いたよ!わたし、こうえんにわすれものしてたから!」


「そっか!じゃあその公園からお家近いの?」


「うん!ちかいよ!おうちどこにあるかわかるよ!」


「じゃあ、ここから出れたら私達と一緒にお家帰ろうね!」


「うん!ありがとう!おねえさんたち!」


「どういたしまして!あのさ、このトンネルの奥って何かあった?」


「なにもないよ!いきどまりだったよ!」


「おっけい!教えてくれてありがとう!」


「みっちゃん先輩、どうやってここから出ます?明かりを見る限り結構奥までありますよ!そもそも、出口なんてあるんですかね?」


「とりあえず進もう、今出来ることはそれくらいしかないからさ、」


私はこの子達を無事に家に返すと心に決め、3人で先へと進んで行った。

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