第3話 誰なの?

「どこまで走るの??」


「見つかるまでです!」


「本当に人なんていたの??」


「いました!その子は何か知ってるかもしれないですよ!」


5分くらい走った私はとっくに疲れていた。

普段走ることなんてないから、筋肉痛になることを覚悟して走った。

なのに全然見つからない。

もう最悪だ。


「わたしは、ここ、」


2人はその声で足を止めた。


「誰かいるの?」


「みぎを、むいて、」


右を向いてみると、そこにはトンネルのような空間があった。


サッ、サッ、サッ、サッ


服が擦れる音が奥から聞こえてきた。


「みっちゃん先輩、幽霊だったらどうします??」


「さすがにそれはないよ、きっとね!」


とは言ったものの、私はお化けとかそういうものは苦手だから退治とか出来ないと思うし、なんなら腰抜かすかもだし…


「だれ、なの、」


サッ、サッ、サッ、サッ


「やばいですよ!うっすらと見えてきましたよ!」


「そうだね、見えてきたーね、」


目をつぶっておこう。

そしたら何も怖くない。

見なければいいんだよ。


サッ、サッ、サッ


「えっ!?何この可愛い女の子は!?」


志乃ちゃん!?

大丈夫なの!?

本当に人間の子なの??

騙されてない??

私目を開けていいの??


「みっちゃん先輩目を開けてください!大丈夫ですよぉ!」


私は目を開けた。

目の前にいたのは志乃ちゃんと着物姿の女の子だった。

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