第2話 2人の行方

「何この風!?」


「ひゃ〜〜〜みっちゃん先輩助けて〜!」


「志乃ちゃん!」


私は志乃ちゃんの手をギュッと掴み、片腕で必死に電柱を抱きしめた。

飛ばされないようにと願いながら。

でも、その願いは叶わなかった。

私達は飛ばされ気がつくと洞窟の中にいた。


「ここどこですか??」


「分からない、飛ばされてこんな所に着くとは思えないし…」


「誰かが誘拐したとかですかねー?」


「うーんどうだろ??」


あんな風を人工的に吹かせるなんてきっと無理。

あの風もびっくりするほど強かったし、奥の方に落ちてたペットボトルがビクともしなかったってことは、私達の周りだけ吹いていたってこと。

とにかく私達を狙ったってことだけはわかったけど…


「怖い〜みっちゃん先輩どこかに行っちゃったりしないでくださいね〜、」


やっぱり私達狙いってことは言わない方がいいかな。


「大丈夫!1人にしないから!」


「ありがと〜!みっちゃん先輩大好きぃ結構前から大好きぃ!」


ここは洞窟で、地面にロウソクが立ってる。

ロウソクの火で今は見えるけど、その火もいつ消えるか分からない。


「今奥の方で誰かいました!」


「えっ!?私達の他にも誰かいるの?」


「いるっぽいです!行きましょ!」


志乃ちゃんは私の手を握り奥へと向かって行く。

まるでこの状況を楽しんでいるかのように、キラキラしたその目は私を安心させてくれた。

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