第19話
「君の妹さんは、我らの庇護を抜けたようだよ」
「我ら、ですか」
うめく。公島はそんな誠一の心情を想像さえもしなかっただろうが。優れた政治家とは、市民の声を聞くのではなく、市民に声を聞かせて、自分の正しさを演出できてこそそう名乗れる。
公島の所有するマンションのひとつが、今の誠一のセーフハウスだった。そこのソファに身を預けながら、妹分を思う。まっすぐで、純粋。舞奈を表すればそうなる。だから、人が自力で幸福を得られると信じてしまった、聡い女だ。
もっとも、本当にそうであればもう一歩、踏み込むべきだった――人はとっくの昔にそんな力を失ってしまったことに気づく前に、舞奈は思考をやめた。あるいは、信じた。人の可能性だとか希望だとか、そんな最初から存在しないものを。
舞奈は人がそれらを失った、と思っているかもしれないが、現実には、一度でも人は持ち合わせていなかった。
歴史に名を遺し、システムが今なお受け継がれているような人の領分を超えた――超人だけが可能性と希望を行使して、人の世を正してきた。人は彼らの生み出したものの恩恵に預かり続けて、いつしかシステムそのものを超人たちの願いとはまったく逆の、悪意に満ちたものに変質されることしかできなかった。
その度に別の超人が尻拭いをして、また人が腐らせる。
たかが人では、そんな繰り返しを演じることしかできなかったのである――なぜ人は過ちを繰り返すか。それが人の本質だからだ。人は変革を生む力も才能もなく、ただ、縮小再生産を続けるしか能がない。いつか破綻するその日まで。
その典型である政治家が言う。
「私と同一に語られて、不満かね?」
「そうですね。俺には畏れ多くて」
「君は小市民だからな。その分を弁えているのは称賛されるべきだ。そんな君の思想を受け継いだ彼女がなぜ我らに反抗するなどと……」
あいつは俺の思想を手にしただけで、俺のコピーだとかそういうものじゃないですよ。
声にせず、誠一はつぶやいた。公島にはわからないと理解できていた。彼にしてみれば、自分より年下の人間とは、自分の思想と行動の模倣者でなければならないからだ。間違っても、独自の進化などしてはいけない。公島と同じことを考え、同じ結論を出して、同じ夢のために生きて、そして死ぬ。
それこそが、彼の考える、最良の人だ。
人は、次世代がよりよい環境で生きていくことを許せないものだ。俺たちはあんなに大変な想いをして大人になったのだから、お前たちだって同等か、あるいはそれ以上に辛く苦しい想いをするべきだ。お前たちだけが甘い汁をすするなんてこと、許してたまるか。
それが人の――大人の本音だ。
「あいつはおそらく、公島さんを直接狙うでしょうね。あなたがいなくなれば、俺を使ったシステムが再開されることはない――そう信じているんです、馬鹿だから」
「あぁ、確かに馬鹿だな。私がいなくてもシステムは機能するように整えた。それも彼女が壊そうとするかもしれないが、所詮、あの子は独りだ。暴力以外にも無力化する方法なんてものはいくらでもある。防人機構の人間じゃなくなったんだから、粗末に扱ってもいいんだからな」
「できれば、穏便にしてください」
「それは君の働き次第だよ。心を折る、とでもいうかな……できるだろう?」
「はい。他に特技はないですから」
公島はくつくつと笑った。政治家である彼ならば見せなかったのだろうが、今、誠一の目の前にいるのはお上と下請けでしかなく、であれば、どれだけ醜悪な姿を見せてもいいのだ。何を見せられても、下請けには批判はできない。
「では頼む。私は帰るが、ここは好きに使え――ただし、女を呼ぶなら相応の女にしてくれ。安い女を買っていると思われるのは、心底不愉快だ」
「お高い女なら箔がつく、ですか?」
「ああ。政治家は関わる相手も慎重に選ばないといけない。君たちのように、行為ができればどんな女でもいい、などという贅沢は許されない」
そう言って、公島はマンションの部屋を出て行った。
「……趣味がいいことで」
独り残った部屋で、そのつぶやきは思ったよりも響いた――少し前まで眠っていた寝室の引き出しの中身と、この部屋についての感想だった。
前者は、いわゆるSM用の道具だ。公島は金で買った女に暴力を振るうことでしか勃起できない、と聞いたことがある。その意味でも、彼は安い女では満足できない。
部屋は女の悲鳴が漏れないよう、防音がしっかりなされて、少しくらいならば逃げ回れるように広めになっている――つまり、生かすも殺すも公島の気分次第でどうにかなる、ということだが。
「……さて」
耳たぶのスマホにアクセスして。
「――兄さんから誘ってくるなんて、おかしくないかしら? 敵同士よ、あたしたち」
三十分ほどで、部屋に舞奈が入ってきた。
しっかりと対面するのは五年振りということになるが、外見で飛び抜けて変わった、と思える部位はなかった。精々が、とびきりの美少女が、とびきりの美人になった、程度か。舞奈は知らないだろうが、舞奈の遺伝子上の両親はどちらも美形である。
富裕層の街では、基本的に誰だろうが容姿が優れている。不細工の遺伝子を排除し続けた結果である。舞奈は遺伝子上では富裕層の出身だから、容姿の出来は秀でている。
「それ以前に兄妹のつもりだよ。飯とか飲み物が欲しけりゃ、勝手に冷蔵庫を漁ってくれ。貰い物で溢れ返ってるし、腐らせるよりはいい」
「公島の部屋じゃないの?」
「この部屋で飲み食いされて揺らぐはずないだろう」
淡々と告げると、舞奈はそれなら、と楽し気に冷蔵庫へと歩いて行った――飯をろくに食べていないはずだ、と踏んだのだが、間違っていなかったらしい。舞奈は性格上、組織を抜ける前に準備などしていないと思ったし、食に関してはもっとルーズだと確信していた。
舞奈はそんな誠一の読みがすごい、とでも言うかもしれないが、誠一にしてみれば呼吸よりも簡単にわかることでしかない――世の大抵のことは、十秒もあれば理解できる。それが天才的な才能なのか、無能だからこそそうあり続けないと死ぬ環境だったというだけか、答えは出ていない。
「兄さんはなんか食べる?――あ、ねー! 酒飲んでいい?」
冷蔵庫の前でああでもないこうでもない、と物を取り出している舞奈が言ってきた。
「酔ってて全力出せずに殺された、って公式記録を残したいならいいぞ」
「何よ、兄さん。あたしに勝つ気?」
「お前とは背負ってるものが違う。負けられないんだ」
「個人の想いじゃ、全体の意思には勝てない――兄さんはそればっかり。ならなんで個人なんていて、意思があるのよ! あたしはそういうことを忘れて、目の前の幸福を貪るしか能のない劣等種が嫌いなの!」
好きと嫌い。
それはシンプルな判断基準だ。誰だって、それを理由にして人生というものを選ぶくらいの自由は認められていた――三十年は前の話だが。今となっては、好き嫌いなんて甘いことを口にすれば、組織によって潰されるのが関の山だ。
「お前はそれでいいよ。あと、俺は別にいらない。五年も食事してなかったから、下手に食べたくないんだ」
「それよ! 兄さん、なんで五年もあんなことしてたの? ご飯食べてないの?」
「食事をするなんていう幸福は、俺には認められていなかったんだ」
「その分、他人を幸福にするってやつ?」
「ああ、そうだよ。俺は生まれた時から他人を幸福にするシステムの、部品であることを望まれて生きてきた。だから公島さんの提案を断る理由がなかったんだ――自分の生まれてきた意味を知って、それに殉じる。お前がどう思うかは知らないが、それは、俺にしてみれば望外の幸福だったんだ……」
大抵の世の人は、自分の生まれてきた意味と、その役割を知らずに生きて、なんとなく流されて死ぬことしかできない。そんな風に死ぬのは、あまり喜べるものではなかった。幸いにして、そういうものを悟ることができたのだから、あとはやるだけだったと言える。
それだけで、世の多くの人よりも幸福である――生まれてきた義務をこなすだけで、他人を幸福にできるのならば、文句などあるはずがない。
舞奈は冷蔵庫からいかにも酒のつまみになりそうな食べ物を取り出して、誠一の体面に座った。苦笑する。
「お前、趣味悪いな」
舞奈は明太子を口に運んで飲み込んでから、言ってくる。
「だって今から米炊くの面倒だもの。料理なんてできないし。そうなると、つまみか果物くらいしかないんだけど、果物は皮剥いたりとかしないといけないもん。それも面倒」
「……料理くらいできればよかったな、お互い」
誠一にできないことが、舞奈ならばできる――こともあるのだろうが、こと、料理に関しては兄妹揃って不得手である。今日日、自炊するよりも外食する方がずっと楽という事実もあり、趣味で料理上手な人は珍しいものを見る目で見られるらしいが。
「兄さん、あたしね」
舞奈がチーズに手を出しながら、続ける。
「チーズにはワインだと思うんだけど、なんでこの部屋にワインないのかしら? 金持ちの政治家ならワインセラーがあるもんでしょ」
「嫌な妹になったなぁ」
「妹じゃないもん」
あくまで兄妹のように共に育った、だけであって、確かに血の繋がりはない。
「で、兄さん。なんであたしを呼んだの? バレたらヤバいでしょ。それとも、罠が満載でここであたしを殺そうって腹積もりかしら?」
舞奈はそんなことを言いながら、つまみを食べては、ミネラルウォーターを飲んでいる。警戒心はないようだが、それだけ、誠一を信じているのかもしれない――殺すなら小細工なしに、正面からやり合う、と。
「一応な、教えてやろうと思って――誰もお前には真実を話していないんだろうし、お前も積極的に答えを求めてないだろうしな」
「何か知らないけど、あたしが答え欲しくないなら、別にどうでもよくない?」
「ケダモノの正体。わかったのか?」
「自然の浄化作用。違うの?」
「近いな。ケダモノは人がゴールに着いて、しばらくは休め。と教えるために現出したんだ」
「ゴール?」
「人は走り切ったから、あとはバトンを渡して次の走者に任せる――そしてその走者が走り終えれば次、更に次……それを繰り返して、また人が走るようになる」
「……延々と終わらないリレー?」
「そんなところだな。円環――ループと呼んでもいいな。ケダモノは自然というか世界のシステムの使い走りで、人はそいつらに従って一時的に歩みを止める。いつか再び――だか何億回目だか知らないが――走り出すその日まで、人はこの世界から消える」
「……はい?」
舞奈は理解し損ねたようだったが。
「走ってない間は、人間は、この世界にいないってこと?」
すぐにそう言ってきた。理解が早い。
「永遠に終わらない舞台の演目でも、その場その場で主役は違うし、舞台に上がっていない誰かも当然だがいるんだ――それが人の不在だと言えば、その通りなんだろうな」
「じゃあ、何? ケダモノが現れたってことは……」
「ああ。人の世の終焉だ――これで何度目かは知らないが……」
――誠一は。
ケダモノを初めて見た時から、それを理解していた。怪物たちは伝えたかった意思とは、つまりそういうことでしなかった――人の時代は終わり、この先に待っているのは緩やかな滅亡だけだ、と。
どうして誠一がその事実を理解できたのか。
単純な話で、誠一は――ゴーズは。
「ゴーズはケダモノに対するカウンター存在のつもりで、間宮さんは開発したんだ。が、それは正しくない。ゴーズの目的はまるっきり逆なんだ」
「人間を、ケダモノに殺させる?」
「違う。ケダモノが人の世を終わらせて、ゴーズは次の人の祖先になるために一時的にゴーズという、人とは異なり、ケダモノによく似た存在として世に残るんだ」
「じゃあ、ゴーズ以外の人間は、死ぬの?」
「そうなる。だからゴーズの適合者は男女なんだ。この自然の、世界のシステムでは、単純な生命をのぞけば、生殖には他者を必要とするから。つまり、子供を産んで増やすために――言うなれば、アダムとイブとして機能することこそ、ゴーズの本来の使命だ」
舞奈は。
何かを探すように瞳を彷徨わせている。反論か、でなければ、否定をしたいのだろう。が、ゴーズである妹分には、誠一の話に反発することが難しいのである――舞奈だって心のどこかでは気づいていて、しかし、認めたくないから別の結論を出したに違いない。
妹分に真実を――現実を見せないことこそが、兄の役目だったかもしれない。しかし、遅かれ早かれ理解できてしまうことでしかないし、あるいは、人はとっくの昔に理解しているはずなのである。
生命の営みはいつか絶たれる。始まったものは、必ず終わりというゴールにしか辿り着けない――終わらない、永遠に続く何かなんてものはこの世界には最初からありはしない。神だとか創造主だとか、そういうやつは気が利かないから、この世界のどんなものにだって絶対に終わりがあるようにしか作らなかった。
「ケダモノという人の世界の終わりが現出したから、ゴーズという人の種を保存しておく道具が開発された――間宮さんがやらなければ、誰かがやっていたことだな。あの人は死ぬまで自分がゴーズの開発者という特別に縋るんだろうが、それは世界のシステムに仕組まれていたことでしかない。彼は、そのプログラムに特別、従順だったってことだ。それこそがあの人の特別さなんだ」
「兄さんは」
舞奈の低い声がする。鋭く、人を傷つける声。
「それでいいの? 人の総意に従うんでしょ? 人間がそんなに素直に滅びを受け入れるはずがないじゃない――兄さん、いつの間にそんなに絶望していたの!?」
「絶望はしていないよ。ただ、滅びることが人の総意なんだ」
「誰も死にたくないって――」
「人はいつからか」
ひとつ息を挟んで、続ける。
「自分の手の届く範囲が幸福なら、その範囲の外について関心を示さなくなった」
「兄さん……?」
舞奈は怪訝そうだが、同時に、はっきりと殺意も見せている――彼女に隠し事はできないな、と思いながら、別の言葉を口にする。
「自分の世界さえ幸福なら、世界中に不幸な人が溢れても気にしなくなった。どうせ全部は救えない。そんな力も才能も、気概も持てない。だから自分の世界だけで完結する世界を求めた――不幸な人が皆死んでしまえば、世界は幸福になる。そう信じた。だって仕方ないじゃないか。俺たちには救えないんだから、救わなくても誰にも責められる謂れはない――超人じゃないんだから、仕方ない……」
「兄さん……」
「それは滅びを受け入れるのと同じだ。人の総意が滅びを望んでいるんだよ――不幸なたくさんの人を見殺しにすれば、それは人類の十分の十が死ぬことを許容するということになる。人はそれでも仕方ない、と思っている。救える超人がいないんだから、どうしろっていうんだ。超人が生まれないこの世界にこそ欠点があるんだ……」
世界はそこまで都合よく作られていない。それが神だか創造主の限界だったのか、あるいは、怠慢なのかはわからない。だがどちらにせよ、人は人を見捨てることを是とした――幸福は全員に行き渡らないのだから、独占してしまいたいと願った。
自分とその視界に写るだけの仲間が幸福になるならば、それに含まれない人なんてどうなってもいい。むしろ、潔く死んでくれた方が精神衛生上、都合がいい――世界にはその程度の都合の良さはあるだろうと、人は願いを押し付けた。
いずれ、人は自分たちの小さな幸福を守るために、他人を殺す道を選ぶ。誠一のような幸福を生み出す生贄を人工的に作り出して、それから搾り取れるだけ搾り取って、自分たちが死ぬまで続ける。
自分たちが死んだ後のことになんて、責任を持つ気はない。問題を。苦痛を。悲しみを次世代に託して、次世代はその理不尽に怒り、死せる旧世代への報復を始めるだろう――もし彼らを皆殺しにしできても、次世代は同じ方法で幸福になることしか知らないから、同じことを繰り返す。
その果てに待っているのは、滅びだけだ――その最初の引き金はとっくに引かれている。
「人はそんな世界で生き続けられないんだ。心のどこかでは、滅びを願っている。解放を――不幸から、苦痛から、悲しみから……すべてから解放されて、完膚なきまでの自由と幸福を得る。だがそれは生きていては味わえない。この世界で生きていくということは、自由も幸福も制限されたものしか得られないからだ。だから、それらを得るために滅びを願う。それが今の人の総意だよ」
「それが、兄さんの出した答えなの?」
舞奈は、怒りと殺意を押し殺している。本当は今すぐにでも誠一を殴り飛ばして、殺すか、それに近い状態にして再起不能にしてしまいたいが、理性でその気持ちに蓋をしている。
舞奈は、優しい子だから。
誠一を殺さないで、人の可能性と希望が人の姿をした劣等種を駆逐できると信じている。人類の九分九厘は劣等種で、実際に人だけで生きていこうとすれば、インフラの維持すらままならないから、誰もそんなことは望んでいないにしても、だ。
人はもう、可能性だとか希望というものを持ち合わせていない。よりよい自由と幸福を手にするに必要不可欠なものだからこそ、人は捨てたのである――そんな重たいものを持っていたら、自重で死んでしまうから。
それがいつ行われたのか。十年前か、二十年前か――五十年前か。あるいは、それよりも遥か昔に、人は物語の世界にしかそういうものを見出せなくなっていた。物語の世界にしか可能性とか希望は存在していない、と信じたかったのである。
自分たちがそういうものを持っていない、劣等種だなんて認めるわけにはいかないから――だから、それらを持った人を貶めることを覚えた。自分たちが劣等種ではないと宣言するために、すべての人を劣等種にしようとしたのだ。
少数派はいつでも迫害されるが、多数派になれば正義面をして迫害をする側に回れる。
「ああ。俺は人の総意に従って、人を、平和を、自由を、幸福を守る。その先に待っているのが人の絶滅だとしても、俺は逆らわない。滅ぶべくして滅ぶ――誰もが滅びるのが嫌だと滅びを遠ざけてきた結果が、それだ。滅びと向き合わない限り、人は滅びから逃げることはできない。たとえ滅びるにしても、その様を美しくできるかもしれなかった可能性や希望さえも、人は捨てたし、捨てさせた――皆で仲良く、笑顔で、ありのままに生きて堕落することを選んだなら、俺はそれを否定しない」
舞奈と。
わかり合えるのではないかと、夢想したことはある。だがそれは夢にすらならなかった。舞奈はどこまでも人であり続けようとする――人の持つ可能性や希望を失わずに、それらを行使して新世界を作ることに抵抗はないだろう。いずれ、本当に世界を変えてしまうかもしれない。
だがその時。
現在の定義の人はどこにもいない。それは、受け入れているわけにはいかなかった。
「……戦うしか、ないのね」
「戦わずに幸福になれるように、人は俺を使うことを選んだ。お前だって――」
「冗談。あたしに劣等種になれっての? たとえそれが兄さんの善意からの発言でも、あたしは看過したりしないのよ」
そうだろう、とは思っていた。だから。
「場所を変えよう。できるだけ、被害の出ない所がいいよな」
別れの時は、近い。
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