第2話  サム恋を知る

あぁ… めっちゃ女騎士が戦技使いそうだったからついつい見守っちゃった…

守護結界(プロテクション)をかけておいたから一応怪我は… 無さそうだけど。

衝撃で意識は無いか、一応急いで連れて帰ろう…


これは確実に怒られるや…


「グルォォォォ!」  



あっぶないな。人がどうやって謝罪(言い訳)しようか考えているときに…

ふざけてる場合じゃないな、急ぐか…


             『八条ノ炎星』


あ… 討伐証明部位が… ああ! それより早く戻らねえと。

起きてないよな…? とりあえずお姫様抱っこでいいか。

起きてセクハラとか言わないでくれ、頼むから…


             ―テリクス王都―


騎士団の医者曰く衝撃で意識を失っているだけと… 

いや、本当に。本当に良かった。不謹慎だが… 鎧を外した女騎士が綺麗すぎる… 

ここまでだとは… エルフかと見間違うくらいに綺麗だ。

街を歩いていたら絶対俺は3度見、いや目で追ってしまう。


プラチナの髪、透き通った白い肌そしてこの長身のスタイルの良さ… 

なんか神々しい。 光ってないか? そんな訳ないか。


しかし…金髪で色白の長身なんて俺の好みにドストライクすぎる…

俺よりも身長は高いんじゃないか え?それはお前がモブだからって? うるさi…


「どこだ? ここは? 貴様は… モ…門番の」


え? 今モブって言おうとした? 気のせいだよね? え?

え、まってそれより可愛すぎないか? 何その可愛い声にエメラルドグリーンの瞳。

緑龍の住処のエメラルドよりもきれ…


「おい。きいているのか貴様」


あ、あ 何だっけ。 あ、ここは何処かってことか。


「ここは騎士団の診療所だ。 貴殿が鎧頭熊に襲われていたのでな。

 連れて帰ってきたんだ。半日ほど寝ていた」


え。これって会話? 俺この女騎士、いや姫騎士と話したのか?

やばい… いや 落ちつけ。 やばくない。 やば…

てか、可愛すぎ…


「私はアリス。西の砦からシュタイン商会を護衛していた冒険者だ。 

 たしか… 城門までたどりついて、その後結界に飛ばされたのだが…」


あ… この子を危ないめに合わせたの俺じゃん…

何を舞い上がって… 仕事だ。 王都の門番として職務を全うするんだ。


「シュタイン商会からは依頼達成で良いとの報告を頂いている。

 報酬は仲間に渡しているそうだ。 後で受け取ってくれ。

 あぁ、そう宿は‘’溜まり湯の宿‘’に滞在しているそうだ。 場所は…」

 

 「そうか。さすが王都の門番だな。ご丁寧にありがとう。

  これでも冒険者だ。 宿の場所ぐらい自分で探すさ、慣れているからな。」


 あ、これ絶対嫌われてるやつ… 

 仕事モードとかいっても人間そんなすぐには気持ちを切り替えれない訳で…

 人生苦節十七年。初めての恋の終わりの鐘が… お父さん… 俺は…


「聞いているのか? おい。えっと」


「サムだ」


危ない。せめてプロとしての仕事はしなければ… 俺は王都の門番なんだ。

しかし、プロでも話を聞いてないことも…


「私の大剣がどこにあるかを聞いていたんだよ。サム」


あ、ああ。 武器のことか良かった。ちゃんと回収しておいて。


「それなら俺の‘’異空間(スト)収納(レージ)‘’に。 ほら、これだろ?」



はぁ… 初めて‘’恋‘’っていうやつを自覚した矢先だったんだがな…

自業自得だけど… きっつ~……

ロイには怒られるし、上司にも怒られるし。


よし、こんな時こそ… 飲みに行くか… 忘れて…

いや、怪我をさせそうになったんだ。あんな… あんなにきれいな子に。

しっかり反省してから、飲みに行くか…

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